第2世代Ryzenは4月に発売
最後が今後のロードマップである。まず第2世代のRyzenは、GlobalFoundriesの12nmプロセスを利用し、2018年4月に発売されることが予告された。
この12nmというプロセス、連載417回での説明には含まれていないのだが、これは2017年9月にサンタクララで開催されたGTC(GlobalFoundries Technology Conference)で12LPとして発表された。
この12LPは従来の14LPPとプロセスそのものは同じで、ただしより小さなStandard Cell Libraryを適用したものである。GlobalFoundriesの説明では「TSMCの16FF+と比較して」15%以上の面積削減と10%以上の性能改善が可能とされており、14LPPからの性能改善の度合いがはっきりしないのだが、AMDも14LPPと比較して10%の性能改善が可能としている。
もしこれがそのまま製品に反映できれば、Ryzen 7 1800Xのベース3.6GHz/ターボ4GHzがベース4GHz/ターボ4.4GHzあたりまで引っ張れることになる。
ここまで上がるかどうかは不明だが、そうした形での動作周波数向上が期待できるとする。ほかに、Ryzen mobile/Ryzen APU同様にPrecision Boost 2を搭載したほか「若干の改良」(詳細はまた発表日が近くなったら公開する、とはぐらかされてしまった)があるが、大きな改良ではないとのことだった。
さて、これに続く話である。4月に発表されるのはおそらくRyzen 7と思われ、これに引き続きRyzen 5や、さらに後追いでRyzen 3が投入されると見込まれるが、2018年後半には第2世代のThreadRipperが投入されることも明らかにされた。
この第2世代はおそらくZen+コアを利用した製品と思われるが、コア数を含めてまだ議論には時期尚早ということで、今回詳細は明らかにされていない。唯一明確に返事があったのは、引き続きSocket TR4を利用するということだけであった。
さらにその先では、7nm世代のZen 2についてもすでに設計が完了したことが明らかにされている。これはGlobalFoundriesの第1世代(つまりEUVを使わない)7nmで製造予定であり、Zen+の時よりももっと多くの改良が施されているとするが、詳細は不明である。Zen 3はさらに先の話で、現時点では「そういうものがある」以上の情報はない。
最後にチップセット。既存のSocket AM4は従来の製品だけでなく第2世代Ryzenでも利用可能であるが、このままではマザーボードメーカーが新製品を出せないことになってしまう。これもあって、4月の第2世代RyzenとあわせてX470もリリースされることが明らかになった。
恒例の筆者予想ロードマップ
これまでの情報を元に、筆者予想のロードマップをまとめてみた。
まずZen+コアの製品については、モデルナンバーは適当(とりあえず既存の製品に1000を足しただけ)なのであまり確度は高くない。
実はRyzen 7のハイエンドについては昨年末に12コアで5.1GHzという情報が少し流れたが、これはたぶんにホラに近い。
XFR2をフルに利かしても、5GHzには行かないだろうし、14LPP→12LPで面積がどの程度小さくなるかにもよるが、大体10~15%程度と考えるのが妥当なところで、ここでCCXを1つ増やしたらダイサイズが4割近く肥大化する。しかもメモリー帯域とのマッチングも難しくなるわけで、そうはならないだろう。
ただThreadRipper 2に関して言えば、インテルのCore i9-7980XEというお化けがいるので、これに対抗してクワッドダイ構成で各々のダイで6コア、トータル24コアというお化けが出てくる可能性はある(この場合、それぞれのダイから1chづつDDR4が出る感じになるので、トータルとして性能面でメリットがどこまであるかちょっと疑わしいが)。
あとはほぼ機械的に割り振っただけなので、いつもにもまして確度が低いロードマップなのは御容赦いただきたい。
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