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「HUAWEI Mate 10は史上最強のスマホ」 ファーウェイトップの自信にあふれた発表会

2017年10月19日 16時00分更新

文● 山根康宏、編集● ASCII編集部

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 10月16日(現地時間)にドイツ・ミュンヘンでファーウェイの新製品「HUAWEI Mate 10」シリーズが発表されました。Kirin 970を搭載し、Leicaカメラはさらに性能がアップ。本体の質感もより高級になるなど、ファーウェイ自慢の新製品となります。その自信の表れは、発表会でプレゼンテーションを行なったファーウェイのデバイス部門CEO、リチャード・ユー氏の表情からもくみ取ることができました。

「Ultimate Performance」。Mate10の最大の売りはパワーフルなパフォーマンス

発表会開始早々に自信満々に実機をメディアに見せる
16:9の「Mate 10」と18:9の「Mate 10 Pro」の2モデル

 9月のIFA2017で今回の新製品、Mate 10の名前をすでに発表していたこともあり、今回は発表会が始まって早々に実機が披露されました。取材側からすると長い前置きがないのは助かりますが、ユー氏もすぐに製品を見せるのがうれしい、そんな表情をしていました。

発表会はドイツのミュンヘンで開催されました

 しかも発表された2機種は画面サイズの大きさではなく、画面そのものの形状が異なります。あえて2種類の製品を出してきたことで、Mateシリーズはさらに多くのユーザーを惹きつける製品になるのです。

 Mate 10、Mate 10 Proの説明の前に、まずは過去のMateシリーズをおさらい。2014年登場のMate 7以降、ハイパフォーマンス、大画面、長時間駆動バッテリーという特性を維持しながら、本体は可能な限りコンパクトに仕上げてきたと言います。

過去のMateシリーズからのパワーアップ

 また昨年のMate 9ではポルシェデザインとのコラボレーションも発表。美しいデザインをスマートフォンの世界に取り込みました。スポーティーなデザイン製品を手掛ける同社との提携は、スピード感あふれる高性能なMateシリーズのブランドイメージを高める効果もあります。

 まずMate 10は、Mate 9と同じ5.9型ディスプレーを搭載しますが、本体の大きさはさらに小さくなりました。左右のベゼル幅を狭め、上下のスペースも最小限にしています。横幅で1mm減少の効果は、本体背面のカーブデザインと相まってかなり高く、片手でもより保持しやすくなっています。16:9のアスペクト比を好むユーザーもまだまだ多い中、さらなるサイズダウンを実現したというわけです。

Mate 10はMate 9よりコンパクトになった

 一方、Mate 10 Proは6型で18:9のワイドディスプレーを搭載しました。Mate 10が従来と同じスタイルで小型化を図り、Mate 10 Proはより大画面を搭載しながら横幅をスリムにしたわけです。

 この2製品の最大の特徴ははやり“大画面”。ほぼ同じアスペクト比になるiPhone Xを引き合いに出し、画面面積の差をアピールしましたが、アップルの誇る最新モデルよりも広い表示エリアを持つことはMate 10シリーズの大きなメリットでしょう。

iPhone Xとの画面面積の比較。Mate 10はかなり広い

 また同じ大画面モデルのiPhone 8 Plusともサイズを比較。ディスプレーサイズはMate 10シリーズの方が大きいだけではなく、ベゼルや上下の余白部分の差にも触れ、フロント側に無駄な領域が少ないことをアピールしていました。対iPhoneという点で「Mate 10に死角はない」、ユー氏はそう伝えたかったのでしょう。

こちらはフロントの領域をiPhone 8 Plusと比較

指紋センサーのままだが利便性は高い
デザインや使い勝手でiPhoneやGalaxyに優ると正面からアピール

 iPhoneへの対抗意識はまだ続きます。アップルの最新のセキュリティーシステム「Face ID」に対して、Mate 10シリーズが搭載するのは指紋認証センサーです。しかしセンサーの反応速度はわずか0.33秒。端末を手に持った瞬間、あるいは指先を当てた瞬間にロック解除が可能です。

 これに対しFace IDではiPhoneを持ち上げ、カメラ部分を見つめ、そしてロックを解除するという3つのステップが必要になります。Face IDのほうがより高セキュアなソリューションなのでしょう。しかしスマートフォンをすぐに使えることこそが最高のユーザーエクスペリエンスであるとも言えます。

Face IDより高速かつ簡単なMate 10のワンタップアンロック

 その指紋認証センサーについては、サムスンの弱点をしっかりと指摘しました。2017年のGalaxy S8、Galaxy Note8シリーズはホームボタンを廃止した代わりに、背面カメラの横に指紋認証センサーを搭載。しかし指先がカメラレンズに当たってしまい、レンズが手の脂で汚れてしまいます。Mate 10はフロントに、Mate 10 Proは背面カメラの下にセンサーがあるのでサムスンのような問題は起きません。

最近のGalaxyシリーズの指紋認証センサーの位置に対する優位性をアピール

 このようにアップル、サムスンへの優位性をCPUのスペックなど実感しにくい部分ではなく、本体の形状やデザインで大きくアピールしてきたのはこのMate 10シリーズが初めてかもしれません。

 ハイパフォーマンスなKirin 970はすでに両者の製品の性能を超えていることから、それ以外の部分を先にアピールする。ファーウェイのMate 10シリーズはあらゆる面においてアップル、サムスンを超えたとも思わせるほど強烈なメッセージでした。

 本体のデザインも、Mate 10は一味違うアクセントを入れてきました。大画面スマートフォンは背面側のデザインが単調になりがちです。Mate 10はまず2つのカメラを上下に真ん中に配置し、左右対称のシンメトリックなデザインとしました。そしてその2つのカメラ部分に横ラインを入れ、ストライプの入った仕上げとしたのです。どことなくスピード感のあるデザインは、Mate 10にこそ似合う、そんな感じがします。

カメラ周りはスポーティーなデザインに仕上げている

おそらく日本では登場しない!? ポルシェデザインモデル
ラグジュアリー感あふれる製品でブランド価値アップを目指す

 さらにはMate 9に引き続き、ポルシェデザインとのコラボレーションも発表しました。Mate 9のポルシェデザインモデルはエッジ形状のディスプレーとモノトーン仕上げでしたが、Mate 10では背面に縦のストライプを入れるなどより精悍なデザインとなりました。

 パッケージや付属品もすべてを統一したデザインに仕上げ、製品を購入した直後からポルシェデザインの世界を十二分に味わうことができます。高パフォーマンスなMate 10 ProのラグジュアリーモデルであるMate 10ポルシェデザイン。これに匹敵する端末は他には無いといえるでしょう。スマートフォンの進化はスペックやパフォーマンスだけで留めるものではないのです。

ポルシェデザインとのコラボモデルも再び登場

ポルシェデザインの世界観をパッケージやアクセサリーにも展開

画像の自動認識でKirin 970の性能の高さを主張
バッテリーの安全性やPCモードでGalaxyを意識

 さて3製品の紹介が終わってから、ようやくKirin 970の特徴の説明にはいりました。すでにIFA2017で発表された内容とほぼ同じであることから、細かい話よりも実例を出してパフォーマンスの高さを説明。とはいえスマートフォンを実際に使って感じる快適度や体感速度は、すでに現状のCPUでも十分なレベルに達しています。Kirin 970と従来製品との差は数字だけではわかりにくいところ。

AI機能内蔵で高速化したKirin 970

 写真の自動認識速度をiPhone 8 PlusとGalaxy Note8とで比較しました。デモではNote8が100秒以上かかるのに対し、iPhone 8 Plusは9秒、Mate 10 Proは5秒と速度に大きな差に。しかし実際にユーザーがどんな操作をするかにより体感度合いは異なるもの。このあたりは実製品を使ってみて試すのが一番かもしれません。

写真認識ではGalaxy Note8よりはるかに速い

 AI内蔵による高速化でわかりやすい説明の一つが、カメラ性能でした。F値1.6とさらに明るくなった2つのレンズは他社の追従を許しません。そして13の撮影シーンを自動的に瞬時に判別してくれるのです。食事、人、花など、カメラを向ければ撮影対象が何であるかを把握し、それぞれに適した撮影モードに切り替えてくれます。写真撮影が絶対に失敗しないというのがKirin 970の長所の一つとなりそうです。

カメラはもはやMate 10を超える製品は無い

AIの特性を使った13シーンの自動判別

 Mate 10、Mate 10 Proは4000mAhの大容量バッテリーを搭載し、急速充電にも対応します。充電に関しては工業製品などの安全認証を行うテュフ・ラインランド社の認証を受けていると説明がありました。従来の新製品発表会ではこの手の話はありませんでしたが、これは昨年のGalaxy Note 7のバッテリー問題に引き続き、今年はiPhoneの一部の製品にもトラブルが生じていることから、ファーウェイも率先して安全対策を講じていることを伝えたかったのでしょう。

バッテリーの安全対策についても説明

 そしてビジネス層もユーザーが多いMateシリーズを拡張できるように、ケーブル一本で外部モニターに接続しPCライクな操作が可能な「PC Mode」は、他社のようにドッキングステーションは不要です。ここまでの機能を持つと、もうiPhone越えどころか、Galaxy Note8にも匹敵するマシンと言えそうです。

ケーブル1本でPCに繋がるPCモード

 性能は一級品、デザインにもこだわり、ライバル製品に負けないだけの存在となったMate 10シリーズ。日本発売はMate 10 Proの予定ですが、ポルシェデザインモデルを含めて、他の製品もぜひ発売してほしいものです。

最強のフラッグシップモデルと言えるMate 10

  HUAWEI Mate 10 HUAWEI Mate 10 Pro HUAWEI Mate 9
ディスプレー 5.9型液晶 6型有機EL 5.9型液晶
画面解像度 1440×2560ドット 1080×2160ドット 1080×1920ドット
サイズ 77.8×150.5
×8.2mm
74.5×154.2
×7.9mm
78.9×156.9
×7.9mm
重量 186g 178g 190g
CPU Kirin 970
2.36GHz+1.8GHz
(オクタコア)
Kirin 960
2.4GHz+1.8GHz
(オクタコア)
内蔵メモリー 4GB 4 or 6GB 4GB
内蔵ストレージ 64GB 64 or 128GB 64GB
OS Android 8.0 Android 7.0
カメラ画素数 リア12+20メガ
/イン8メガ
リア12+20メガ
/イン8メガ
バッテリー容量 4000mAh 4000mAh 4000mAh
指紋センサー

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