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知識が一切なくても見極める方法は「数字の大きさ」だ!

ゲーミングPC、結局どれを買えばいいの?

2017年06月26日 17時00分更新

文● 林佑樹 編集●ジサトライッペイ

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 PCでゲームを遊びたい。そう考えたとき、キーになるのはもちろんPCだ。近年のPCゲームは高い性能を要求するタイトルが多いので、普通のPCでは快適に遊べない。それゆえ、PCゲームを快適に遊ぶためには、いわゆる“ゲーミングPC”が必要になってくるというわけだ。ただ、店頭やWebサイトにズラズラっと並ぶPC群を前にしたとき、予備知識がないと選ぶのに苦労する。そこで、今回はゲーム目的でPCを選ぶときのポイントをご紹介していこうと思う。

 現在のPC市場では、用途を明確にして消費者が選びやすいようになっており、ゲームを遊ぶ上で十分なスペックを備えているモデルであれば、わかりやすく「ゲーミングPC」と命名されていることが多い。処理性能や3D描画性能の高さだけではなく、入力しやすいキーボードを採用し、臨場感を高めるために高品質のスピーカーを搭載するなど、そもそもPCとしての付加価値が高いモデルも多い。

 多くのメーカーがゲーミングPCを販売しているが、今回はMSIのゲーミングノートPC「GS63VR 7RF-004JP」をピックアップし、ゲーミングPC選びで重要なポイントをチェックしていこう。

ポイントその1:「数が大きい=性能が高い」

 まずはゲーミングPCの性能について。もちろん、わざわざゲーミングPCと言うからに“ある程度の性能”は備え、一般的なPCと比べると高性能だ。製品ごとに“スペック”というどの程度の性能なのかがわかる仕様表があるが、それが一体何を意味しているのか判断するためには知識が必要だ。しかし、実はそのあたりの知識が一切なくても見極める方法はある。

 それは数字の大きさだ。ゲーミングに適したCPUとして採用例の多いIntel CPUにはCore i3、Core i5、Core i7というクラスが存在する。3、5、7と数が大きいほど性能が高くなっていく。なので「Core i7」の文字やシールは、ゲーミングPCを選ぶ上で目印と言ってもいい。

 さらにCore i7にも種類があり、これも数の大きさ=性能の高さになる。2017年6月現在であれば「7700」が最大。そして、ノートPC向けCPUの場合は数字の後ろには「HQ」とか「U」とかがつくのだが、とりあえずは「Core i7」「7700」「HQ」がベストと覚えてしまおう。

ゲーミングPCには写真のようなシールが貼られていることが大半。これがCPUやGPUの目印になるのだ。

 また、GPU(グラフィックス)についても同様で、CPUと同様に数字の大きいものを選んでいくと、キレイなグラフィックで遊べるゲームタイトルが増えていく。現在販売しているゲーミングPCの多くは、「GeForce」というGPUが採用されていることが大半だ。なので、GeForceのあとに続く数字に注目してみよう。

 「1050」「1050 Ti」「1060」「1070」「1080」「1080 Ti」といった数字が見つかるハズ。「1050」「1050 Ti」のちがいはなんだ? と感じた人もいると思うが、これはより性能の高いグレードを示すもので、その製品の強化版といった認識でよく、「1050 Ti」の性能は「1050」よりも高く「1060」に迫るといった具合だ。ともあれ、数字の大きさは正義と覚えよう。

 実際にベンチマークで性能差がどれくらいあるのかを見ていこう。ベンチマークとは、そのPCの性能を知るための指標のひとつで、多くのベンチマークが存在するが、ゲーム向けとしては「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」と「3DMark」が定番である。これも算出された数値が高いほど性能がよく、よりゲームに適しているという意味だ。

 現状の基準としては「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」を最高設定(つまり、描画される画質が最も良い状態=描画負荷が最も高い状態)で実行して、「とても快適」と表示されれば、大半のゲームでストレスは感じないと思っていい。

「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」。最高品質/1920×1080ドット/フルスクリーン設定でテストした時のスコアー。左はGS63VR 7RF-004JP(Core i7-7700HQとGeForce GTX 1060を搭載)、右はCore i7-7700HQとGeForce 1050Tiを搭載する別のゲーミングノートPCの結果。スコアーに差が出ているのがおわかりいただると思う。

また、GeForceを搭載しないフツーのノートPC(CPUはCore i7-7500U)のスコアーを見てみると、最高品質でのベンチマークは実行できず、最も描写クオリティーの低い標準品質(ノートPC)設定でもスコアーは伸びず、辛うじてプレイできるレベルになっている。

3DMarkのFire Strikeテスト。左はGS63VR 7RF-004JP(Core i7-7700HQ、GeForce GTX 1060)、右はCore i7-7700HQとGeForce GTX 1050 Tiを搭載するノートPCの結果。というように、数字の高いものを選んでいったほうがより快適になる。

 また、ゲーミングPCの性能において、もう1点覚えておいた方がいいところがある。それは、ストレージの種類と容量だ。ストレージには主にHDDとSSDという2つの種類があるが、前者は1~3TBなど容量は大きいがデータ転送速度が遅く、後者は128~512GBと容量は小さいがデータ転送速度が速いという違いがある。

 ちなみに、GS63VR 7RF-004JPの場合、256GB SSDと1TB HDDを搭載している。どうしてこういった構成になっているかというと、OSやPCゲームなど読み出し速度が速いほうがいいものはSSDに入れて、写真や動画など読み出し速度は遅くてもいいがデータ容量が多いものはHDDへ保存しましょうという配慮からだ。

 もちろん、同じ容量ならHDDよりもSSDのほうがいいのだが、大容量SSDを搭載したPCは必然、高価なモデルになる。しかし、いまどきのPCゲームはインストールに20~30GB必要になるのはざらで、中には100GB以上使うタイトルもある。複数のタイトルを遊ぶのなら、なるべくストレージの容量は大きいほうがいいだろう。

 では、HDDにPCゲームをインストールするとどうなるかというと、プレイ中に次のシーンにすぐいきたくてもマップデータなどの読み出しに時間がかかり、もどかしい思いをすることも多い。なので、快適にゲームをプレイするためには、いくらか高価でもなるべく容量の多いSSDを搭載しているモデルを選んでおいた方が吉だ。また、写真や動画などストレージを圧迫しがちなデータはUSB接続の外付けHDDに退避するというのも手だ。

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