このページの本文へ

ハンズオン経験、キャリア形成、子供参加の勉強会などを語る

Women Techmakers Kyotoで聞いた3人の女性エンジニアの話

2017年04月19日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

4月15日、京都のはてなオフィスにおいて「Women Techmakers Kyoto」が開催された。Women Techmakersは、Google Developers Group(GDG)と共催コミュニティが開催している女性向けのイベント。今回のWomen Techmakers Kyotoは、GDG京都(WTM京都)、関西Java女子部、JAWS-UG関西女子会、concrete5 Kansai Girlsの4つのコミュニティによる共催で、20名程度の参加者がセッションを楽しんだ。いくつかのセッションをご紹介しよう。

ハンズオンのメンターとして得たモノを語ったショウノシオリさん

 「ハンズオン入門」というタイトルでLTを披露したショウノシオリさん。大阪のWeb制作会社で働いており、関西Java女子会としての登壇だが、普段はPHP界隈のコミュニティに出入りしているという。そんなショウノさんはハンズオンのメンターを2回引き受けた経験をもとに自身の学びを振り返った。

ハンズオンのメンターとしての経験を語るショウノシオリさん

 まずショウノさん初となるハンズオンはLaravel5.2について。準備としては、Quickstartを最低限訳したものを用意し、スライドを書きつつ、流れをQiitaにまとめたという。気をつけたのは、話がそれやすいのでドキュメント以外のことを詰め込まないこと。また、流れが悪くないか、ハンズオンの経験者に資料をレビューしてもらった。さらに2回くらいオフィスで練習してみて、それなりの準備時間をとった。

 こうして実施したLaravelハンズオンの自己評価は「まあまあ」。なにより3時間と尺が長かったので焦ることがなく、しかも事前に練習したおかげで、落ち着いてできた。会場のメンターのヘルプも大きかったという。「実際にコードを貼り付けるのであれば、スライドといっしょにQiitaにまとめるのはオススメ」とショウノさんは語る。

 続いての2回目はGulpとSass、Pugに関しての1時間のセッション。こちらは準備に時間がなかったが、「焦って資料作ったわりに、わりとええんちゃうと思った」とは本人の弁。スライド、Gulp用のリポジトリを用意するとともに、Node.jsが入らないことをを見越し、あらかじめコード公開・共有サービスの「CodePen」も使うことにした。

 しかし、2回目の自己評価はあまりよくなかった。なにより時間が1時間と短く、メンターも少なかったため、巡回しすぎ、時間が足りなかったという。「ライブコーディング入れてしまい、説明を区切りすぎたため、参加者にもとまどいが見えた」と反省する。

2回目のハンズオンはイマイチだった

 それなりにできた1回目と、イマイチだった2回目。なにが違うかをショウノさんが考えたところ、やはり「時間」だった。1回目のような長めのハンズオンは、完成させるモノを用意するのが大事で、資料作りと準備はそれなりにしておかないといけない。こちらは「持って帰ってやってみよう」と思わせるのが重要だという。一方、2回目のような短めのハンズオンは、CodePenなどのツールをうまく使い、やりきれるようにイメージトレーニングしておくとよいのでは考えた。

面を拡げて、キャリアを尖らせていきたい佐々木きはるさん

 JAWS-UGの代表として登壇したのは、JAWS DAYSのAWSマフィアセッションにも登壇したサーバーワークスの佐々木きはるさん。1児の母として家庭を切り盛りしつつ、リモートワーク中心で働く佐々木さんは、自身のキャリアとコミュニティとの関わりについて振り返った。

自身のキャリアと野望を語った佐々木きはるさん

 大手SIerでキャリアをスタートさせた佐々木さん。COBOLやDigital UNIXなどレガシーな世界にたっぷり浸った後、コンサルティング会社に転職し、今度はパワポをメインツールに使うような経験をしてきたという。「未婚の頃から子供ができたら、在宅で仕事したいと考えていた」という佐々木さんは、結婚と出産の後、フリーランスの道を選ぶ。

 フリーランス時代には子育てしながらWebデザインを学び、その後エンジニアだった経験を活かしてWebアプリ、iOSアプリ開発などを手がけるようになった。「基本的に欲張り」(佐々木さん)ということで、コンサル、開発、デザインまでを押さえた佐々木さんは、さらにAWSを学んでインフラレイヤーまで押さえていく。JAWS-UGにジョインしたのもまさにこのときで、その後はJAWS-UG千葉のコアメンバーにもなっている。

 結果的にフルスタックエンジニアにはなったが、目指すモノは違った。「フルスタックであることは自分の目的なのかと考えたら、そういうわけではない。異なる複数のスキルを組み合わせ、バリューを生み出せる人間になるのが自分の目指すものだと気がついた」と佐々木さんは語る。

佐々木さんが考えるキャリアのバリュースタック

 2017年1月からサーバーワークスに就職し、現場に復帰した佐々木さん。現在は同社のCloud Automatorを担当しており、フロントエンドやUI/UXの開発のみならず、チームビルディング、プロダクトの企画、プロモーションサイトの運営、マーケティングまで幅広く手がける。こうしたカバレッジは、やはりコンサルや開発、デザインの経験が大きかったと振り返る。今度、自身のキャリアスタックを伸ばすために目指すのは、「面を拡げて、さらに尖らせていくいくこと」と語り、自分ならではのバリューを高めてきたいと抱負を語った。

子供と楽しめる勉強会を試行錯誤する井坂久子さん

 フリーランスのディレクター/エンジニアの井坂久子さんは、母親の立場で「子供と楽しめる勉強会を目指して」をテーマに講演した。

子供連れの勉強会を主催した経験を語る井坂久子さん

 20代の頃、阪急百貨店で子供服を売っていたという井坂さんはもともとITにまったく縁がなかったが、家庭の事情でIT会社の受付として就職。その後、なぜかその会社のシステム部に異動になり、ITの道に足を踏み入れる。現在はシングルマザーとして、2人の子供を育てながら、フリーランスでWeb系の仕事をしている。

 井坂さんが子育てを始めた頃は、「仕送りもない」「仕事もない」「時間がない」というないないづくし。本当に苦しかったという。子育てをしながら、お金をかけずにスキルを上げるためには、勉強会に参加すべきだと考えたが、ママの立場で参加するのは敷居が高かった。

 ママが勉強会に参加しにくい理由は、「多くの勉強会が晩から開始すること」「騒ぎ回る子供をどーする」「子供が騒ぐと集中できない」「勉強会周りに迷惑じゃない?」など。井坂さんは、「なによりお母さんは子供が騒いだらどうしようと考える。だから、ほとんどのママが勉強会に行くのをはたからあきらめている」と指摘する。

 子育てに余裕ができた井坂さんは、昼から開始し、子連れOKの勉強会を開催できる「concrete5 Kansai Girls」を昨年立ち上げる。新興CMSであるconcrete5を初心者向け勉強会で、キッズスペースのある「JUSO Coworking」で2~3ヶ月に1度のペースで勉強会を開催している。

コワーキングスペースの「JUSO Coworking」なら子供連れでも大丈夫

 運営メンバーも井坂さんと同じ立場のママさんで、しかも3人が小学校、中学校、高校の子供を持っているため、「これならどんなお子さんが来ても対応できる(笑)」とは井坂さんの弁だ。「参加者も最初に来るときは子供を連れて来ないのですが、次からは安心して子供を連れてきます。突然おむつ替えが始まったり、授乳が始まったりで、本当にバタバタしています」(井坂さん)という雰囲気で、ワイワイ楽しくやっているという。

 女性にとっては興味がある話で、講演の後は会場から質問も相次いだ。「騒いだときの子供のケガが心配」という懸念に対しては、「うちは運営メンバーが必ず子供たちを見ていたるし、場合によっては保育園の人を連れてくるといった工夫も必要」ときちんとした対応が必要という意見。また、「子供連れで行くと、子供も興味を持つのでは?」という質問に対しては、「勉強会に連れて行くと、子供もお母さんのやっていることに興味を持ちます。うちの子もラズパイ大好きですし、Excel関数覚えたら、ずっとはまってる(笑)」と井坂さんは語る。

 コミュニティに参加するIT業界の女性たちがさまざまなテーマでセッションを披露したイベント。東京や福岡で開催されるとのことで、興味ある方はぜひ足を運んでもらいたい。

■関連サイト

カテゴリートップへ

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

女子モテ☆ハロウィンPC自作に挑戦in大阪

アスキー・ビジネスセレクション

ピックアップ