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NTTコミュニケーションズがSDxの最新動向を説明

SD-WANが開けたパンドラの箱、通信事業者はどうする?

2016年12月13日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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12月12日、NTTコミュニケーションズは「SDx業界動向勉強会」と題したプレス向けのイベントを開催した。ネットワークから始まり、インフラレイヤー全般に拡がってきたSoftware-Definedの波を通信事業者はどう受け止めるべきか? NTTコミュニケーションズ技術開発部長の山下達也氏が語った幅広いトピックのうち、ここではSD-WANに焦点をしぼってレポートする。

インフラ全般に拡がるSDxの潮流をInteropで見る

 登壇したのはNTTコミュニケーションズで技術開発部長を務める山下達也氏。「電話はわからない。インターネットだけやってきた」という生粋のインターネット人である山下氏は、長らく自身が関わってきたInteropのShownetでの“SDx”について説明をスタートさせた。

NTTコミュニケーションズ 技術開発部長 山下達也氏

 最新のネットワーク技術を先取りするInteropのShownetでSDxが最初に登場したのは、2012年。OpenFlow Showcaseということで、OpenFlowにおける相互接続テストからスタートした。その後、2013年にSDNとネットワーク運用、2014年にIX(Internet eXchange)のSDN対応といったテーマでShownetの展示を行ない、2014年にはSoftware-Definedの対象がネットワークからインフラ全般に拡がってきたという。一方で、2015年には通信事業者での利用を前提にトラフィック制御やセキュリティ機能の分野で実用化が進み、今年は高速なパケットI/OやサウスバウンドAPIの活用まで実用化が深化している。

 この結果、SDxの定義自体はすでに広範囲になっているという。SDNとNFVがセットに語られるのはすでに一般的だが、OpenStackやマルチクラウド接続、IoT、ネットワークや運用の自動化、vEPC、ハイパーコンバージドインフラ、SD-WANなどもSDxの範疇に入ってしまう。インフラの構築・運用の自動化に関わることであれば、「正直言って、なんでもありという状態」(山下氏)だ。

 そこで、今回の説明会では、複数のクラウド・コロケーションをオンデマンドに接続する「SD-Exchange」、VPNやインターネットなど品質の異なるアンダーレイネットワークをサービスにあわせて使い分けられる「SD-WAN」、仮想化技術でLANの効率的な運用を可能にする「SD-LAN」、そしてセキュリティサービスやICT利用の可視化、複数サービスの一元的な管理を可能にする「マネージドサービス」の4つにフォーカスすると、山下氏は説明する。以下では、説明の中心に据えられたSD-WANについてレポートする。

今回説明されたSDxの範囲

SD-WANによってWANはアプリになる

 IDCによるとグローバルのSD-WAN市場は2020年までに60億ドル規模へ拡大する見込みだ。国内もデータセンターのSD-LANから導入がスタートし、2015年にはSDN市場も201億円に成長した。興味深いのは伸びが見込まれているのは、キャリアのSD-WANサービスという点だ。実際、国内のモバイルキャリアも仮想化されたvEPCの導入によって、ネットワークサービスの柔軟性を確保。大手サービス事業者のMVNOサービスの需要に応えている。

 山下氏は、ガートナーのリサーチャーのコメントを引用し、「SDNの効能はわかりにくいが、SD-WANはWANがアプリとなるということ。これにより、キャリアからユーザーに主導権が移っていく流れだと考えられる」と語る。

 実際、ユーザー主導のSD-WANの動きは加速している。もっとも有名なのは小売事業者のGAPで、彼らを含む一部のユーザーはネットワークのオープン化を目指した「Open Networking User Group」を設立している。通信事業者に寄らず、WANの構築・運用をユーザー自身で行なえる点がやはりSD-WANの本質だという。「技術的に見るとインターネットVPNとSD-WANは大きくは変わらない。でも、(エッジだけではなく)コントローラーの部分までユーザーが自由にしたいと考えている点がSD-WAN」と山下氏は説明する。

 現在、SD-WANのソリューションを展開するベンダーは、ベロクラウド(Velocloud)、ヴィプテラ(Viptela)、シルバーピーク(Silverpeak)、ヴァーサ(Versa)、クレイドルポイント(Cradlepoint)などソフトウェア中心のアプローチをとる新興ベンダーと、シスコ、リバーベッド、シトリックス、ジュニパーなどハードウェア通信機器を扱う老舗ベンダーに大別される。「ソフトウェア屋さんは基本的にユーザー自身、ハードウェア屋さんはわれわれのような通信事業者に売り込んでいる感じ」と山下氏は語る。

まさに百花繚乱の状態のSD-WAN製品の市場

 実際、ベライゾン、AT&T、BT、シングテルなどの通信事業者は、それぞれベンダーとの提携を進めており、SD-WANを自社サービスに取り込みつつある。ここらへんが本来ユーザー主導であるはずのSD-WANが、通信事業者のサービスとして実現している背景だろう。「SD-WANベースのサービスと既存のMPLSベースのサービス、両方を使ってもらうというのが、通信事業者から見た主戦場になる。プライベートクラウドとAWS、Azureなどをマルチでつなぐ時代が来ており、これがSD-WANの登場で加速する」と山下氏は語る。

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