週間リスキー 第100回
iPhoneをAndroid化する夢のケースがついに現実に
「アナタのiPhoneをAndroidに変えませんか?」夢のiPhoneカバーを試す:週間リスキー
2016年11月30日 09時00分更新
「iPhone 7」を買って「iPhone 6」が余っちゃった……でも、売らずにこのままキープしておきたいという人も多いでしょう。
ならば、今回紹介する「Androidカバー」を付けて、Androidスマホとして使ってみるのはどうでしょう? もちろん、まやかしや怪しいものではありません。これがあれば1台2役、SIMも2枚使える意外と便利なケースなのです。
iPhoneをAndroid化するケース「Mesult」
iPhone上でAndroidアプリを動かす方法というのはだいぶ前から研究されていますが、いまや格安端末が1万円で買える時代です。わざわざ面倒なことを考えるくらいなら、別途Android端末をかったほうがいいでしょう。
とはいえ、手元にiPhoneが余っていたら、それを有効利用したいもの。中国で開発されたiPhoneケース「Mesult」は、なんとiPhoneに装着するだけでiPhoneの画面上でAndroidが動いてしまうのです。
Mesuitの内側を見ると、下部にLightning端子があり、そのすぐ上にnanoSIMスロットを備えます。
このnanoSIMはAndroid側で利用可能で、iPhone側の通信はすべてiPhoneに刺した元のSIMを使います。つまりこのケースそのものがAndroidとして動く、ということなのです。
今回はiPhone 6 Plus/6s Plus用を用意。iPhone 6s Plusをスライドさせて装着すればOK。あらかじめnanoSIMスロットにはSIMカードを入れておきましょう。装着が終わると、本体の下がやや出っ張った、ちょっと大きめのiPhoneとなります。
側面から見てみると、Mesuitそのものはそれほど厚みはありません。公式には5.55ミリとのことで、装着してもそれほど厚くはなりません。
一方、下部側がふくらんでいるのは、この部分にAndroidのスマートフォンの基盤そのものが入っているからです。スペックはCPUがMediaTek製のMT6753(クロック数は不明)、メモリー2GB、ストレージ16GBとのこと。
また、iPhoneを装着するとBluetoothをオンにするよう求められます。これはMesuitに入れたSIMで通話を行なう際に、iPhone側のマイクとスピーカーを使うためです。
つまり、Mesuitは普通のAndroidスマホから、ディスプレーとマイク、スピーカーを外した装置と言うわけです。
アプリは添付されているQRコードを読み取り、専用サイトからダウンロードします。インストール後はユーザー登録が必要。そのまますぐに使えるわけではありません。
恐らく、ほかのiPhoneに入れ替えたときは、再登録が必要となるでしょう。また、登録にはWeChatアカウントが必要など、やや面倒です。インストール後は画面に「機甲」のアイコンが現れます。
では、アイコンをタップして起動してみます。すると、iPhoneの画面があら不思議。Androidの画面になるのです。Mesuit本体がAndroidとして動き、画面出力をiPhoneの上に行なっているというわけです。
試しにiPhoneの操作でタスクを切り替えようとしてみると、バックグラウンド側のiPhoneのアプリ画面を見ることができます。
つまり、Mesuitのアプリは、iPhoneの画面を切り替えているだけ、というわけなのです。このためAndroid画面を操作中に、ホームボタンを押してしまうとiPhoneのホーム画面が表示されます。
早速ブラウザーを使ってみました。アプリのタップ時の反応は若干遅く、ブラウザーのスクロール画面もサクサクに動くとはいかず、このあたりはMesuit本体のスペックの弱さがそのまま表れている格好です。
起動中のアプリの切り替えも、もたつく場合があるなど、このあたりはまだ十分なチューンがされていないのかも。なお、Google Playは入っていたものの、公式で配布されているAPKではないようで、動作しませんでした。
また、通知バーを表示するとAndroidの見慣れた画面が見える。「4G」と書いてある通りLTEにも対応している。ここにMVNOのSIMを入れてテザリングをオンにし、iPhone側からWi-Fiでつなぐ、という使い方もできるだろう。
また、通知バー中央の下矢印部分を下にスクロールさせれば、iPhoneの通知センターが表示される。
ほかには、カメラを起動すれば、iPhoneのカメラを通して写真を撮影することが可能です。ギャラリーからは保存した写真だけではなく、iPhone本体に入っている写真も表示できます。
1台で2つのOSが使えるMesuitですが、Android機としての動作がやや緩慢な点が気になりました。また、バッテリーを内蔵しているものの(6用は1700mAh、6 Plus用は2500mAh)、装着時はそのバッテリーでiPhoneの充電を行なってしまいます。つまり、Mesuit内蔵バッテリーは、ケース型のモバイルバッテリーとして動作するわけです。
そのため、Mesuitを使おうと思ったらバッテリーが切れていた、なんてことも起こりえます。電池の持ちは公称7時間ですが、実際はそれよりも短くなってしまうわけです。
価格はiPhone 6/6s用が999元(約1万6000円)、6 Plus/6s Plus用が1099元(約1万7700円)。この値段でそこそこ使えるのなら悪くありませんが、若干価格が上がってもいいのでスペックももう少し引き上げてほしいところ。
また、iPhone 7シリーズ用もぜひ出してほしいもの。Android側も十分実用的に使えるようになれば、キワモノではなくiPhoneユーザー必須のカバーになるかもしれません。
※著者および編集部は、技術基準適合証明(技適)を受けていない通信機器の利用を勧めるものではございません。通信機器は各国の法律に基づいて利用してください。各国の法律に反して利用しても、著者および編集部は一切責任を負いません。
この連載の記事
-
第118回
スマホ
HUAWEI Mate 10 Proを買う人はGalaxyのDeX Stationも買っておくべき -
第117回
スマホ
日本対応! タイのSIMロック機がなぜかアジア最強の格安ローミングスマホになる -
第116回
スマホ
中国の子ども向けAndroid端末がホログラム表示&QWERTY仕様で超変態的だった -
第114回
スマホ
物理QWERTYキーボードカバーの夢を再び! Galaxy S8で日本語入力はできるのか? -
第113回
スマホ
1000円を切る激安活動量計を買ってみた。ダメだった -
第112回
スマホ
IDOL4を純正ケースでBlackBerry化!「アイドルベリー」爆誕!? -
第111回
スマホ
最強のセルフィースマホ「Meitu T8」の実力をチェック -
第110回
スマホ
100名以上のガジェット好きが集まった「めんたいガジェットフェス2017」レポート -
第109回
スマホ
【速報】2年ぶりの出展となる「ASUS」がめんたいガジェットフェスに参加決定! -
第108回
デジタル
Xperia Earの体験を愛車に実装するソニー純正スマホコントローラーを試した -
第107回
ゲーム
外でもTVモードで遊びたい! ニンテンドースイッチ+LTE内蔵モバイルシアターに挑戦 - この連載の一覧へ