NTTドコモは「ネットワーク説明会」と題する記者説明会を開催。現在下り最大375Mbpsで提供している「PREMIUM 4G」の現状について説明するとともに、2017年3月には「4×4MIMO」「256QAM」の導入で下り最大500Mbps以上の通信速度を提供開始すると発表した。
国内のiPhone 7の中では最速の375Mbpsを実現
郊外も含めて300Mbps超のエリアを拡大していく
「新端末への対応」という項目でアピールされたのが、なんといってもiPhone 7。iPhone 7ではこれまでのiPhoneでは利用できなかった1.5GHz帯や3波によるキャリアアグリゲーションに対応したことで、PREMIUM 4Gの機能が活かせることをアピールする。特に下り最大375Mbpsの速度は3キャリアのiPhone 7のなかでも最速となる。
下り最大375Mbpsの速度で提供されているのは東名阪一部エリアの約30都市だが、337.5Mbps超でカバーしているのは東名阪の約360都市。また、東名阪以外での整備が先に進んだ1.5GHz帯に対応したことで、全国でより快適になったとしている。
今年度中に500Mbps超のネットワークを提供開始
月20GBのデータ定額開始でもトラフィック処理に自信あり
2017年度に向けた進化についても、今回は発表が行なわれている。まずは提供が開始されたばかりの3.5GHz帯(現時点で対応端末はルーターのみのリリース)。開始当初は49都市で提供だったが、2016年度第4四半期には160都市以上に拡大する。
つづいてはネットワークのさらなる高速化。現状2×2MIMOで提供されている3.5GHz帯に、アンテナをさらに多重化する4×4MIMOを導入する。これにより、一波あたり下り最大110Mbpsだったのを下り最大181Mbpsに高速化。3.5GHz帯の2波に加えて、1.7GHz帯との組み合わせで、国内最速を更新する下り最大512Mbpsに達する。また、4×4MIMO技術では、基地局から遠くの場所でもより安定しての通信が可能というメリットも紹介された。
もう1つの技術は256QAM。1度に運ぶ情報量を増やすことで高速化するもので、基地局側はソフトウェア更新により可能になるという。こちらは対応端末の利用で下り最大500Mbpsとなる。この2つの技術は東名阪の都市部中心の導入で、2017年3月の時点では約70都市で展開される予定。
質疑応答では月20GBの新データ定額開始にともなうネットワークへの影響について問われたが、複数の周波数を持っており、PREMIUM 4Gで効率よくユーザーの通信を処理することができるので、トラフィック処理については問題がないと考えているとした。