電力自由化の新規参入会社紹介の13社目は、日本エコシステムの電気プラン「じぶん電力」。これまでさまざまな新規参入会社のサービスを紹介してきたが、「じぶん電力」のサービスはなんと、150万円相当の太陽光発電設備を無償提供・設置してもらえるというユニークなもの。
住宅用太陽光発電設備の販売・設置については、3万6000棟以上施工してきた実績を持つ日本エコシステムの電力サービスを紹介しよう。
太陽光発電によって作られた電気を直接使える
電力自由化では、再生可能エネルギーでの発電を用いることをアピールする企業も多いが、電線を流れている電気はさまざまな発電方法によって生まれた電気が混ざって送られており、特定の発電方法による電気だけを使うということは物理的に不可能だ。つまり、再生可能エネルギーによる発電を行なっている企業と電力供給の契約をしても、ほかの発電方法の電気も使用していることになる。
しかし「じぶん電力」では、自宅に太陽光発電設備を設置し、そこで作られたクリーンな電気を直接使用するため、ほかの発電方法による電気を使うことなく、もっともエコな電気を利用できる。夜間など、太陽光で発電されていない時間帯は、再生可能エネルギーを主体としているエネットから電気が供給され、これまた環境にやさしい電気利用となる。
太陽光発電設備は無料で設置
「じぶん電力」に必要な太陽光発電設備は日本エコシステムが無料で設置してくれる。この設備は契約期間中は日本エコシステムの所有となり、発電した電気も日本エコシステムに帰属することになる。つまり、自宅の屋根に日本エコシステムの発電設備を設置し、そこから電気を購入するという形だ。契約期間は20年となっていて、太陽光発電設備は契約期間満了後に無償で譲渡される。
太陽光発電設備の設置が必要となるため、「じぶん電力」と契約できるのは戸建ての住宅のみという制約がある。対象となるのは築20年未満または新築予定の住宅で、2階建て以下でなければならない。また、すでに蓄電設備や発電設備を設置している場合は対象外となる。
提供エリアは、北海道、青森県、秋田県、岩手県、山形県、新潟県、富山県、石川県、福井県、沖縄県を除く日本全国となっている。
停電時に使える「非常用コンセント」
「じぶん電力」では、地震や台風といった自然災害で地域全体が停電になった際にも、太陽光発電と連結した「非常用コンセント」から電力供給される。もちろん夜間など、太陽光発電されていない時間帯は使用できないが、いざというときに安心な仕組みだ。
電気料金ももちろんおトク
電力自由化でもっとも気になる電気料金だが、太陽光発電による電気の使用は1kWhあたり27円となっている。九州電力エリアはさらに安く1kWhあたり25円だ。東京電力と比較した場合、120~300kWhが26円なので電力量料金は若干高くなるが、アンペアに応じた基本料金などはないので全体としては安くなるだろう。
また、夜間など太陽光発電できない時間帯はエネットからの電気供給となるが、こちらの料金も1kWhあたり3円~6円程度安い価格が設定されている(割引額は使用量によって変わる)。
昼夜を合わせてどのくらい安くなるかは診断シミュレーションから問い合わせる必要があるが、これまでの各地域の電力会社の料金よりは安くなるだろう。
マンションやアパートなどでは契約できないが、太陽光発電を検討している戸建て住宅の方や、これから家を建てようと考えている方は一度検討してみるといいだろう。
次回は、楽天の電気サービス「まちでんき」について解説する。