“デジタル化”推進のために次世代プライベートクラウドを構築、標準化によるコスト削減も
フォルクスワーゲンが「Mirantis OpenStack」をグローバル採用
2016年04月07日 06時00分更新
OpenStack専業ベンダーである米ミランティスは4月6日(米国時間)、欧州最大の自動車メーカーであるフォルクスワーゲン グループが、次世代プライベートクラウドのグローバル標準として「Mirantis OpenStack」を選択したことを発表した。フォルクスワーゲンの「デジタル化(Digitization)」を推進するIT基盤となる。
フォルクスワーゲンでは、業務アプリケーションおよびコンシューマー向けアプリケーションの全体にわたる革新を後押しすること、さらにグループ全体でプラットフォームを標準化してITコストを削減することを目的に、新しいプライベートクラウド基盤にOpenStackの採用を決定した。そのうえで、OpenStackディストリビューションの提供ベンダーとして、OpenStack専業ベンダーのミランティスを選んだという。
ミランティスとの共同プロジェクト「Group IT Cloud Project」においては、OpenStackベースの次世代プラットフォーム上でさまざまなアプリケーションが高いパフォーマンスで運用管理され、データセンターインフラ全体を制御できるよう、重要なエンタープライズ機能をOpenStackに追加することにフォーカスしている。
フォルクスワーゲン グループのITインフラ担当VPであるマリオ・ミュラー氏は、「これまでのIT基盤はプロビジョニングプロセスが大きな障害になっている」と述べている。デジタル化を推進し、サービス化の進む自動車メーカーの新たなビジネスモデルに対応していくためには、自動化により迅速に構築できるクラウドコンピューティング基盤が不可欠だと、同氏はコメントしている。
2015年7月からスタートした同プロジェクトは、2015年末にプライベートIaaS基盤として本番稼働をスタートしている。同社ではさらにミドルウェアの標準化を進め、プライベートPaaS上であらゆるアプリケーションを構築していく計画で、PaaS基盤の完成は今年7月ごろを予定しているという。