今回のことば
「ミラーレスカメラでは3番手のシェア。ここは、市場拡大の余地がある。一眼レフカメラ、コンパクトデジカメと同様に、トップシェアを目指す」(キヤノンマーケティングジャパンの坂田正弘社長)
ITソリューションで他社と差別化、2020年までに売上高8000億円
キヤノンマーケティングジャパンは、2020年を最終年度とする「長期経営構想フェーズⅢ」を発表するとともに、その実行計画と位置づける「2016年~2018年中期経営計画」を発表した。
長期経営構想フェーズⅢでは、2020年までに、年平均4.4%増の売上高伸張を計画。2020年には売上高で8000億円、営業利益で400億円、営業利益率は5.0%を目指す。
ここでは、グループビジョンとして「お客様を深く理解し、お客様とともに発展するキヤノンマーケティングジャパングループ」を掲げ、「お客様中心の新たなフレームワークに転換し、これまでの箱売りの会社というイメージでみられていた状況から脱却し、お客様の課題を見つけだし、それを解決する提案を行ない、そこにおいて、必ず成果を出していく会社になっていきたい」と述べた。
また、2018年度を最終年度とする中期経営計画では、2018年度の売上高は7250億円、営業利益は350億円、経常利益は360億円、当期純利益は230億円を見込む。
同社では、キヤノン製品による収益向上領域、キヤノン製品による成長領域、そして、独自成長領域の3つの領域に事業を分類。キヤノン成長領域および独自成長領域の構成比は、2015年実績では37%だが、2020年にはこれを50%にまで引き上げる考えだ。
なかでも独自成長領域において、成長の主軸に置くのが、ITソリューションだ。
2015年度実績で1412億円だったITソリューションの売上高を2020年度までに2000億円に拡大。また、その他事業セグメントにおけるITソリューション関連の売上高を583億円から800億円に拡大。セグメント間の売り上げを差し引いた、グループITソリューション全体では、2015年度の1709億円から、2020年度には2500億円に拡大する。グループITソリューションとしての売り上げ比率は、2015年度の26%から、31%へと引き上げることになる。
キヤノンマーケティングジャパンの坂田正弘社長は、「当社のITソリューションには、ITソリューション部門が主体にやっていく事業と、ほかのセグメントと連携していくものがある。これは富士ゼロックスやリコーとは異なる。他社と同じことをやっていては差別化にならない」と語る。
さらに坂田社長は、ITソリューションや外部製品保守などの独自サービスビジネスの売上高を2015年の1437億円から、2020年には2000億円にまで拡大。構成比を22%から25%に引き上げる計画も明らかにした。
これまでの受託型開発中心の体制から、ソリューション型ビジネスへと転換。これに加えて、SOLTAGEによるクラウドビジネスの強化や、セキュリティーソフトのESETの活用や、アクシス・マイルストーンとの連携強化により事業拡大を見込むネットワークカメラなども活用していくという。
西東京データセンターも本格的な運用を開始。今後3年間で、データセンターの増強に85億円を投資するという。
そのほか、アウソーシング事業の拡大、医療ソリューション事業の強化、3Dソリューションの提案なども加速させる考えだ。
長期経営構想フェーズⅢにおいては、2020年に向けたグループミッションとして、「先進的な“イメージング&IT”ソリューションにより社会課題の解決に貢献する」ことを掲げた。
つまり、ITソリューションとともに、もうひとつの柱とするイメージングにおいても同社の取り組みが加速することになる。
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