CarrizoコアのSoC
Bristol Ridge
ここから先は未来の話である。そのSocket AM4に対応した最初のCPUはBristol Ridgeというコード名になることがCESで明らかにされている。ベースとなるコアはCarrizoであることも明示されている。
Bristol Ridgeのベースとなるのは、昨年10月にAMDが組み込み向けに発表したMerlin Falconである。
これはExcavatorコアに8CUのGCNコアとディスプレー、さらにサウスブリッジ機能まで統合したSoCである。組み込み向けなのでそのまま使うことはできないが、ここからサウスブリッジの機能を除き、PCI Expressをx16レーンに強化し、おそらくは2次キャッシュも4MBくらいに増量するのは大した変更ではない。
GPUの動作周波数は、現状よりもう少し引き上げてGodavari同様の866MHzか、ひょっとすると1GHz近くまで引き上げられるかもしれない。消費電力的にはこれは可能な範囲と思われる。
ただし絶対的な動作周波数は、Godavariよりむしろ落ちるだろう。理由は連載294回で説明した通りである。
Excavatoコアは、Kaveri/Godavariで利用されたSteamrollerを低消費電力向けにチューニングしたコアなので、ある程度以上動作周波数を引き上げると、Steamrollerよりも消費電力が増えてしまう。せいぜいが3GHzそこそこといったあたりだ。
Piledriverが有利なのはコアあたり15W(つまり4コアで60W)あたりまでで、その時点での動作周波数は定格の90%前後である。
Godavariベースの「A10-7890K」を基準にすればベースが4GHzだから、Bristol Ridgeはせいぜいが3.6GHzあたりで、実際はもう少し低い(3.4~3.5GHz)かもしれない。それにも関わらず、トータルの性能は悪くないだろう。これはDDR4-2400までをサポートすることによる。
メモリー帯域の改善は特にGPU側には効果的で、GPUの性能はGodavariベースの「A10-7890K」よりも明らかに改善するだろう。CPU性能にはそこまで大きな効果はないかもしれないが、逆に言えば大きく性能が落ちることもないと思われる。
そもそも現在のAMDのAPUの場合、CPU性能よりはGPU性能が大きなセールスポイントであるし、消費電力が下がるならその方がメリットは大きいと思われる。
当然ながらこのBristol RidgeベースのAPUは、ハイエンドのA10以外にA8/A6などの派生型が同時に発売されると思うが、現状そのあたりの詳しい情報は入っていない。
ただ、これにあわせてAthlonのラインナップにもBristol Ridgeベースの製品が投入されるらしいという話は聞いている。実際問題としてこれは単にAPUを無効化するだけでいいから、投入は容易だろう。
不明なのは投入時期である。CPUそのものはもうとっくにテープアウトしているはずで、すでに量産に入っている可能性すらある。技術的に難しい要素はないので、3月の投入そのものは可能であろう。
ただし後述するAM4の本命であるSummit Ridgeが2016年末と予想されるだけに、3月に投入は早すぎるという気もする。ロードマップの図にはそんなわけで3月としている(Bristol RidgeベースのAthlonは1ヵ月遅らせて4月とした)が、実際にはそれぞれ6月/7月の可能性もある。
→次のページヘ続く (Zenコア採用のSummit Ridge)

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