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出資元、日本産業パートナーズなどの意思か!?

「VAIO、東芝、富士通」統合報道、それは「3社」なのか?

2015年12月04日 16時55分更新

文● 西田宗千佳 編集●飯島恵里子

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2015年6月8日、VAIO株式会社代表取締役社長に就任した大田 義実氏

「VAIO、東芝、富士通」統合報道、それは「3社」なのか?

 今回の報道をみて、驚いた部分とそうでない部分がある。日本のPCメーカーが収益性に苦しんでおり、統合によるスケールメリットを求めているのは間違いない。だが、それが「VAIO」「東芝」「富士通」なのか、というと、「ぶっちゃけそれは筋悪じゃないの?」としか思えないのだ。

 正確に言おう。

 統合のうち、東芝と富士通については否定材料が少ない。富士通はPCを分社したばかりで、体制の立て直しはこれから。個人向け以上に企業向けが多く、販売チャネル的にも似通った顧客を対象にしている。ワールドワイドでのビジネスという面では、東芝のほうが強いが、逆に、国内と海外の拠点をうまくミックスする、という意味で、富士通と東芝のPC事業統合は、まだそこまで違和感はない。実際、両者のコメントも完全な否定ではなく、いわゆる「当社からの発表ではない」的なもので、計画がある程度進行段階であることを思わせる。

 一方、VAIOは非常に強い調子で「当社の発表ではないし、そもそも統合の計画もない」と否定している。実際、VAIOは他の2社よりずっと規模が小さく、B2B事業も構築の最中だ。抱えている顧客層も、富士通・東芝とは違う。というか、「VAIOのファン」という特殊な層だ。統合しようにも、相当なスクラップ&ビルドが必要で、VAIO事業にとってはあまりにリスクが高い。

 そもそも、VAIO事業は独立して立て直しを図っている最中で、資産価値はまだ低い。それを買収・統合することになると、富士通・東芝側から見れば、「短期的な損失」を抱えることにもなりかねない。

 それでも、新聞各社こぞって「3社統合」のニュースを追いかけている。どうやら、VAIO株式会社内部ではなく、それ以外から「3社統合を示唆する強いコメント」が発せられているようだ。その正体は判然としないが、やはりVAIO株式会社への出資元、すなわち日本産業パートナーズなどの意思があるのでは、と予想できる。

 統合があるとしても、そこで本当に「3社」がいいのか。東芝・富士通に、やはりどこかよく似た企業をセットにする方がいいのでは、と筆者は思う。だが、本当に実現するとすれば、そういう論理的な解とは違うものが働くことになるのか、とも思える。


西田宗千佳(にしだ むねちか)

 1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。 得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、アエラ、週刊東洋経済、月刊宝島、PCfan、YOMIURI PC、AVWatch、マイコミジャーナルなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。
 近著に、「ネットフリックスの時代 配信とスマホがテレビを変える」(講談社現代新書)、「顧客を売り場へ直送する」「漂流するソニーのDNAプレイステーションで世界と戦った男たち」(講談社)、「電子書籍革命の真実未来の本 本のミライ」(エンターブレイン)、「ソニーとアップル」(朝日新聞出版)、「スマートテレビ」(KADOKAWA)などがある。

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