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マイクロソフトが提案するクラウドとオンプレミスの統合管理

クラウドやSDNへの対応を強化したSystem Center SP1

2013年01月22日 10時00分更新

文● 渡邊利和

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1月21日、日本マイクロソフトはシステム運用管理ソリューションの「System Center 2012」「Windows Intune」の新バージョンの提供開始を発表した。いずれも同社の「クラウドOS」コンセプトに基づき、オンプレミス/クラウドのいずれの環境に対しても強力な管理機能と自動化機能を実現している。

クラウド環境の運用管理を包括的に実現

 マイクロソフトはWindows Server 2012のリリースに合わせて「クラウドOS」というビジョンを打ち出している。これは、Windows Server単体ではなく、周辺のさまざまなツールや自社提供のクラウドサービスまでを包括的に含むものだ。

日本マイクロソフト 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部 本部長の梅田 成二氏

 まず概要説明を行なった同社の業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部 本部長の梅田 成二氏は「社内のオンプレミスと社外のクラウドのコンピューティングリソースをあたかも1つのコンピュータであるかのように取り扱えるようにする」と簡単に紹介した上で、「中核となるのはWindows Serverであり、Windows Azureであるが、その周りをSystem CenterやVisual Studioといった製品で固める」としている。

 今回のSystem CenterのアップデートおよびクラウドサービスであるWindows Intuneのアップデートはこうした戦略に沿ったもので、システムの運用管理や日常的な作業の自動化といった要素でのクラウド対応をさらに強化するものとなっている。

System Center 2012 SP1の概要

 System Centerのアップデート(SP1:Service Pack 1)では、自社データセンターや外部のクラウド事業者の環境、Windows Azureなどをまたがってクラウドベースのアプリケーションやリソースを集中管理できる。元々は仮想マシンの管理ツールだったVMM(Virtual Machine Manager)はさらに機能強化され、Windows Azureと自社データセンターで仮想マシンを移動し、仮想マシン自体はSystem Centerで管理するといった機能がより使いやすいものに進化している。

 また、SDNへの対応も強化され、運用管理者はより抽象度の高いレベルでマルチテナンシーのネットワーク環境の運用管理が可能になっている。仮想マシンのクラウドへの移動を活用し、「自社サーバをWindows Azureにバックアップする」といった運用もSystem Centerで行なえるようになった。

 エディションは「System Center 2012 Standard」と「同Datacenter」の2種類が提供される。基本的な機能は同一で、1台の物理サーバー上で実行されるOS環境が2つまで(Standard)か無制限(Datacenter)かが異なる。参考価格は、1ライセンスあたりStandardが18万8100円、Datacenterが51万2400円。

構成と参考価格

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