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超解像技術を最適化! 放送画質をBD並みに引き上げる

REGZAの隠れた注目機能、新アニメモードはここがスゴイ!(前編)

2012年01月17日 11時00分更新

文● 編集部、写真●小林 伸

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オリジナルに忠実な動きと適切な超解像を目指す

 以上、放送画質に落とすことによるアニメ映像の劣化とSD画質のセルアニメを放送局側でアップコンバートする際に生じる問題に対するREGZA Z3/ZP3の高画質化処理について見てきた。

 単純な解像感の向上だけではなく、映像が劣化する原因にしっかりと向き合って元々の映像が持っていたクオリティーを復元しようとする姿勢が理解できたのではないだろうか。

 これらの要素をより正確に再現するためにアニメモードの詳細設定では、原画解像度とプログレッシブ処理の設定も可能となっている。最近ではほとんどアニメ作品がハーフHD(720p)以上のハイビジョンデジタル制作となっているが、数年前まではまだまだSD画質での制作が主流であった。

原画解像度の設定。アニメ制作ならではの特殊な解像度も用意されている

 これらの作品をBDボックス化する際にはSD画質をフルHD画質にアップコンバートして収録するケースもあるが、原画の解像度が分かればより適切な形で超解像処理を行なえる。そこでマニュアルでの原画解像度設定が選べるようになっている。標準でも入力した映像の信号の周波数帯域を見て、自動で動作するが、ハーフHD(1280×720ドット)や1/4HD(960×540ドット)など適切な解像度を選べば、それに合った超解像処理が働き安定度が高められるという。

 また、Z3/ZP3搭載のアニメモードでは、原画解像度を720×480ドットまたは640×480ドットに設定した際にコーミング処理を適切に処理する機能を新たに搭載している。

 以上は画質についての話だが、アニメは動きを楽しむコンテンツでもある。放送は60i(毎秒30コマ)だが、アニメの場合、フィルム映画と同様に24p(毎秒24コマ)で作画されることが多い。したがって60iのテレビで再生する際には、最初のコマを2つのフィールド、次のコマを3つのフィールドに交互に割り当てる処理が加わる。2:3プルダウンといった手法だ。

アニメや映画は毎秒24フレームを基準で制作されることが多いが、テレビ本体や放送コンテンツは毎秒30フレームを基準に作られている(インターレースでは2つのフィールドで1フレームを作るので毎秒60フィールド)。毎秒30コマ(60i)にしか対応していないテレビで毎秒24コマ(24p)の映画を再生するための処理が2:3プルダウンと呼ばれる処理。ちなみにpはプログレッシブ、iはインターレースの略だ

 結果として1/60秒と非常に小さな差ではあるが、表示される時間は1コマ目と2コマ目で異なってしまう。そこで24p素材の動きを厳密に再現するため、最近のテレビでは60i/24p両方で再生できる機能を持つものが増えてきた。

 再生しているソースが24pか60iかはオートで判別可能だが、マニュアルでも24P処理/30P処理を選択できる。アニメの場合、作画枚数を減らすため、24コマすべてに異なる絵を描くのではなく、2コマあるいは3コマの単位で同じ絵を撮影していく場合も多いし、止め絵として静止画を入れる場合もある。動きがない場所で、フレームレートが判別できず、モードの切り替えが遅れるといった問題を回避するための設定だ。

プログレッシブ設定。映像ソースのフレームレートを指定することで正確な動きを再現できる

 なお、REGZA Z3/ZP3では「おまかせ」モードという自動設定モードがあるが、ここではEPG情報を活用して、同じ24P素材でもアニメ(ビデオ素材)か映画(フィルム素材)かを区別する。映画モードは多くの場合、まったりとした色調を選択する傾向があるが、これはアニメには必ずしも適しているとは言えない。こういった部分にまで、こだわりを見せる点はやはりREGZAだ。

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