9月13日、グーグルはWebサイトを無料で簡単に作成できるオンラインサービス「みんなのビジネスオンライン」を発表した。KDDIグループとタッグを組み、中小企業のIT利活用を支援する。
15分間で独自ドメインのサイトを立ち上げられる
みんなのビジネスオンラインは、業種向けのテンプレートが用意されており、知識や経験がなくても15分で独自ドメインのサイトを立ち上げられるという。KDDIおよびKDDIウェブコミュニケーションズがパートナーとして、独立行政法人 中小企業基盤整備機構および特定非営利法人ITコーディネータ協会が連携団体として参画している。
発表会の冒頭、グーグルの代表取締役の有馬誠氏は、「日本のICT基盤は世界一だが、利活用に関しては16位となっている」という調査結果を引き合いに出し、「国内の99.7%のユーザーがWebでのコマースを経験しているのに、中小企業のWebサイトの保有率は24%にとどまっている。サイトがないことで、中小企業の多くは機会利益の損失を被っている」と中小企業のICT活用の課題について指摘した。こうした中、日本企業の99.7%を占める中小企業を支援するのを目的にKDDIと立ち上げたのが、みんなのビジネスオンラインになる。
具体的には、サービス自体をグーグルが運用し、KDDI子会社のKDDIウェブコミュニケーションズがWebサイト作成ツール「Jimdo」を1年間無償で提供。同じくKDDI子会社のKDDIまとめてオフィスが人的なサポートを担当するというフォーメーションになる。
中小企業のWebサイト構築にはさまざまな障壁があるが、「コスト・時間・労力をかけずに良いサイトを開設したいというニーズが潜在的にある」(グーグル 東後氏)という。そのため、単なるサイト構築ツールだけではなく、独自ドメインをセットで提供したり、セミナーやオンライン・電話でのサポートなどの施策を展開する。また、セミナーは全国の商工会議所で開催し、1年間で15万社の導入を目指すという。
クリック&タイプのみでサイト構築・運営
Jimdoを提供するKDDIウェブコミュニケーションズ SMB事業本部長 高畠哲平氏は、Webサイト構築までの障壁として、技術的な障壁が存在すると分析する。「Web制作の現場では、HTMLやサーバー、FTPなどの技術が中心で、1990年から変わってない。2000年以降はWordPressなどCMSもでてきたが、管理画面が難しい」(高畠氏)。その点、Jimdoでは完全に「クリック&タイプ」のみで魅力的なWebサイトを構築できるようにしたという。会場では、先行導入した神津島の商店街でのビデオも上映された。
今回は中小企業のサイト構築のため、14業種・84テンプレートを用意した。テンプレートの作成には非常に力を入れており、「仙台と福島のWeb制作会社に依頼し、ユーザーへのテストも繰り返し行なった」(高畠氏)という。また、テンプレート上にはサンプル画像や文章まで入れ、とにかく簡単にサイトを立ち上げられるようにしている。商品15点までのコマース機能も提供し、ペイパル経由でのクレジットカード決済にも対応するという。
サービスは1年間無償で提供され、継続後は月額1470円(税込)で提供される。