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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第118回

CPU黒歴史 夢の5GHz CPUは燃費最悪 Prescott~Tejas

2011年09月12日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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PrescottコアのPentium 4

 CPU黒歴史第5弾は、インテルの90nm世代の話である。「Willamette」に始まり、「Northwood」でそれなりに性能と消費電力のバランスも取れて、しかも動作周波数を上げやすいということで比較的好評だった「Pentium 4」シリーズ。これに大ブレーキをかけたのが「Prescott」世代である。連載61回でも一度説明したが、まずはこのPrescottの話から始めよう。

大幅な機能拡張と高速化の工夫を
凝らしたPrescott

Pentium 4世代のインテルCPUロードマップ。Prescottの名は下の方に見える

 NorthwoodからPrescottへの改良点として、当初インテルから挙げられたのは以下のような内容であった(関連記事)。

  • 90nmプロセスを利用し、さらに「歪みシリコン」を利用することで高速化を図る。
  • 内部配置を大幅に見直すことでクリティカルパスを大幅に短縮し、より高速動作を可能にした。
  • 1MBの2次キャッシュを搭載。
  • 「PNI」(Prescott New Instruction)こと「SSE3」と呼ばれる新しい13命令を搭載したほか、既存の命令に関してもいくつか高速化を施した。

 しかし、実はこれだけではなかった。というよりも、この程度の改良であれば、パイプラインが20段から31段にまで増える理由はない。Prescottは後追いの形で、以下の機能を実装していた。

  • Intel VT(Vanderpool Technology)
  • Intel IA32e(Yamhill Technologyの派生型、現在のIntel 64)
  • Intel TXT(LaGrande Technology)

厳密に言えば、Intel TXTはPrescottや後継の「CederMill」の世代では結局サポートされなかったのだが、実装されたのはこの時期だった。これらの拡張をサポートするために、Prescottでは長大なパイプラインが実装されることになったのである。

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