趣味がネットストーキングなんですよね
―― そうやってつくった「四時」「金くれ」なんですけど。その2つって、結構やってることは怖いんですよね。ブログでもツイッターのセキュリティについて書かれました。逆に、それを通じて啓蒙しようとか考えてます?
小池 そんな意図はないです。気になったらやってみりゃいいと思うんですよ。この分野の法律は未整備の部分もありますし。会社も行きすぎる手前では止めてくれるでしょうし。
―― なんですかそりゃ。社長、大丈夫ですか。
社長 彼、ツイッター見てると、ドラマやアニメのセリフをそのまま引用したりなんかして、殺した方がいいとかそういう危ないこと言うじゃない。でも、根本的に危ない人じゃないでしょ。そうじゃなかったら社員にはできないんで。
―― なるほど。会社でつくるもの、個人でつくるもの、その2つはどう分けてます?
小池 法律に違反してなさそうとか。
―― いや、どっちもでしょうよ、それは。
小池 それが、お金になりそうなアイデアは大体法律が未整備か、それに違反しているんですよ。逆に、おもしろいものほどお金にならなくて。
―― そんな中でお金にならないソーシャルアプリに興味が出たのって、理由あります?
小池 友だちの影響が大きいですね。ドワンゴとか、セレボとかに勤めている友だちの。あとは、ネットストーキングとか。
―― いや、ちょっと。それ聞いてて大丈夫なんですよね。
小池 2008年ごろ、春先くらいの話なんですけど。そのころのツイッターユーザーって、せいぜい5万人やそこらで、ほとんどみんな知ってたんですよね。そのとき、ツイッターに書かれていることだけでまったく興味ない人の職場や住所をさぐってみたりして。
―― ストーカーじゃなくて社会科学の研究みたいですね。知っても行くわけじゃないでしょうし。
小池 ええ。分かるのが楽しかったんで。「駅前でなんかした」とか書くじゃないですか。それを分析すれば、どこかというのは分かる。帰りに写真撮ったりしたら、その周辺に住んでることはも分かる。それで特定していくんです。
―― パターン認識みたいな話ですね。出力された現実を形態素解析していく。
小池 で、そのとき手動でやってたのを自動化したいと思ったんですよね。
―― なるほど、そこでソーシャルアプリをつくろうと。
小池 単語の出現傾向を記録して、その変化を検知して、「この人に何かあった」というアラートを出す。人の精神状態が変わったことを、自動で検知したいと。この単語は明るいとか、暗いとか、そういう自然言語処理系の辞書を買ってみたりしてます。
―― また難しいことを。そのスト―キングプログラムが完成したら公開します?
小池 しません。人工無能「酢鶏」(関連記事)のプログラムをつくっている人がオープンソースにしないのは、スパム業者に悪用されないためだと言ってて、それと同じです。論文にもしないし、発表もしないです。