AMDとインテル、2つの6コアCPUを使用したオーバークロックデモがOVERCLOCK WORKSで開催された。 液体窒素冷却で限界までオーバークロックするとあって、同店には多くの人が訪れた。
「Phenom II X6」で6GHz超え!
注目は、発売されたばかりのAMDのCPU「Phenom II X6 1090T Black Edition」(3.2GHz)のオーバークロックだ。ぶっつけ本番での挑戦にも関わらず5.8GHz超えを達成し、AMD製CPUの底力を見せつけた。さらに電圧などの微調整を加えながら、最終的には6GHz超えを達成。3DMark06のスコアでも3万オーバーという驚異的な記録を残した。
テスト環境 | |
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CPU | AMD「Phenom II X6 1090T Black Edition」(3.2GHz) |
マザーボード | MSI「890FXA-GD70」(AMD 890FX) |
メモリー | AVANTIUM DDR3-2000 2GB×2 |
ビデオカード | MSI「R5870 Lightning」(ATI Radeon HD 5870) |
電源 | CoolerMaster「Silent Pro M1000W」 |
OS | Windows 7 Ultimate(64bit) |
「Core i7-980X」のオーバークロック指南
一方、隣りのテーブルでは、インテルの6コアCPU「Core i7-980X Extreme Edition」のオーバークロックにチャレンジしていた。こちらはマシンを組むところからデモを実施し、液体窒素冷却ならではの注意点やコツをレクチャーしていた。あまり冷やしすぎると再起動時にマシンが起動しないので、BIOS起動時やWindows起動時などで冷却温度の限界点が違うなど、空冷では考えられないような温度管理の難しさや、それを制御する面白さを紹介すると、参加者からは「へぇ~」と、感心するような声が漏れていた。
テスト環境 | |
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CPU | Intel「Core i7-980X Extreme Edition」(3.33GHz) |
マザーボード | MSI「BigBang-XPower」(X58 Express) |
メモリー | AVANTIUM DDR3-2000 1GB×3 |
ビデオカード | MSI「N480GTX-M2D15」(GeForce GTX 480) |
電源 | CoolerMaster「Silent Pro M1000W」 |
OS | Windows XP |
敷居が高く、あまり見ることのない液体窒素冷却の実演が見られるとあって、同店に立ち寄った多くの人がデモを見守っていた。ベンチマーク中にフリーズすると皆が「あ~ぁ」と落胆したり、見事にベンチマークが完走すると「おー」とどよめきが起きたりした。あともう少しでベンチマークが完走するという時のドキドキ感や、フリーズした時のなんともいえない虚しい感覚を、周りの人と共有できるのは、何かの競技を実際に会場で見ている感覚に近い。それほどオーバークロックの実演には周囲との一体感が感じられた。仮にオーバークロックがよくわからなくても、パソコンから冷気が吹き出しているのを見ていれば、ワクワクしてくるはずだ。
同じ趣味を持つ人達と同じ感覚を共有できるこのオーバークロックイベントは、自作PCの楽しさを再確認できる企画だと感じた。今後も、自作PC好きを増やすためにも、同店にはこの手のイベントをがんばって続けていってもらいたい。