Nintex Workflowならコーディングなしで構築可能に
アドインで活きるSharePointのワークフロー
2010年04月15日 09時00分更新
SharePointワークフロー機能へのアドオン製品、Nintex Workflow
ワークフローのユーザーインターフェイスが弱いというSharePointの弱点を補うべく登場したのが、Nintex Workflowである。この製品は、SharePointが搭載しているワークフローエンジンを、非常にわかりやすいGUIから操作することで、SharePointのワークフロー機能を存分に活用することを可能にするアドオン製品である。
開発元はオーストラリアのニンテックス(Nintex)で、海外では2007年より販売されており、すでに世界80カ国1200社以上の導入実績がある。日本語化が行なわれておらずこれまで日本国内では知られていなかったが、ようやくリアルコムが2010年1月に日本語版の販売を開始した。
このNintex Workflowの特長は、まず何といってもその使いやすさにある。SharePointに統合されたグラフィカルなワークフローデザイナー上で、用意されている部品をドラッグ&ドロップで並べていくだけでワークフローを作成できる。その操作は実に直感的で、簡単に扱える。部品は文字通り「フロー」として、ロジックの順番に並んでいるのでロジックが理解しやすい。最初に作った人にしかメンテナンスできない、といった事態も起きない。
Nintex Workflowは、Office製品との相性もよい。たとえばワークフローで回す帳票をデザインする際、すでにあるWordやExcelのフォームをそのまま使うこともできる。複雑な帳票を作成したい場合にはInfoPathで作成し、さらにInfoPathフォーム内の値によって条件分岐をさせることも可能である。
80個近い部品が標準で用意されており、コードを書くことなく、ブロックを組み立てるようにロジックを組み上げることができる。SharePoint外部との連携を行なう部品も数多く用意されており、たとえば人事系DBから承認者(上司)の情報を取得することも簡単にできる。さらに、必要であれば、部品を自社用にカスタムで開発して、それをワークフローの中で一部品として使うこともできるので、仮に標準部品で対応できないような特殊なニーズがあっても対応できる。
Nintexの標準部品を組み合わせることで、下記のようなシステムワークフローが簡単に作成できる。
- コンテンツが投稿されたら、特定のメンバーだけに通知メールを送る
- SharePoint外の人事DBに対してクエリを投げ、上司がだれかを確認する
- 投稿されたドキュメントに、文書IDを自動採番する
- 承認後に読み取り専用の発行用ライブラリにコピーする
- ユーザーからサイトやリストの作成申請を受け付け、承認されたらサイトやリストを自動的に作成して、申請者に管理権限をセットし提供する
- ユーザーからADへのユーザー追加やセキュリティグループの作成申請を受け付け、承認されたら自動的にプロビジョニングする
このようにNintex Workflowを利用すれば、SharePointの機能と機能を連携させたシステムワークフローを作れる。さらに「上司の承認」といったヒューマンワークフローを組み合わせて、SharePoint上に1つの業務アプリケーションをコーディングすることなく簡単に作成できる。
SharePointはNintex Workflowを組み合わせることにより、単なる情報共有基盤から、ノンコーディングでのアプリケーション開発基盤に生まれ変わるのである。
SharePointの導入を検討している方には、Nintex Workflowを組み合わせて使うことをぜひお勧めする。SharePointだけでワークフローを使おうとするとがっかりされるかもしれないが、Nintexを組み合わせることで、SharePointを幅広い用途で有効に使うことができるだろう。
筆者紹介:吾妻徹(あづま・とおる)
リアルコム株式会社 ビジネス・ディベロップメント・グループ/Nintex製品担当
外資系コンサルティングファームのSEを経て、2007年リアルコム入社。リアルコムが取り扱うソフトウェアの製品マーケティングにかかわり、現在Nintex Workflowの製品担当。
筆者紹介:村田聡一郎(むらた そういちろう)
リアルコム株式会社 執行役員コンサルティンググループ担当/BP研究会担当
外資系大手IT企業、米国本社駐在を経て2002年リアルコム入社。ユーザー視点に立った「仕事が楽しく、楽になる情報共有」を推進している。米国ライス大学MBA。
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