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今年の応募作品は5000以上

第16回電撃大賞贈呈式が開催!

2009年11月07日 21時00分更新

文● 伊藤 真広

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 第16回「電撃大賞」の贈呈式が都内で開催された。応募総数5278作品(小説4602本、イラスト676点)のなかから選び抜かれた小説部門8作品と、イラスト部門4作品の12名が出席し、賞が贈呈された。

第16回「電撃大賞」贈呈式

 イラスト大賞から始まった贈呈式。今年は残念ながら大賞の受賞者はいなかったものの、金賞に「イスカリオテ」を題材とした鳥羽和博氏、銀賞に「AHEADシリーズ 終わりのクロニクル」を題材とした黒銀氏と、「猫の地球儀」を題材とした菜花氏、そして選考委員奨励賞として「しにがみのバラッド」を題材に描いたしろきつね氏の4人が受賞した。

「イスカリオテ」を題材とした鳥羽和博氏

「AHEADシリーズ 終わりのクロニクル」を題材とした黒銀氏

「しにがみのバラッド」を題材に描いたしろきつね氏

「猫の地球儀」を題材とした菜花氏

 受賞した心境について、鳥羽氏は「自分のやりたいことは変わらないと思うので、これからも精進していこうと思います」、黒銀氏は「昔からオタクまっしぐらだったので、ここまで来たかという気持ちです」、菜花氏「自分はなぜここにいるんだろうという気持ちです。インターネットでイラストをみて、自分よりうまいのに、私が選ばれて、なんでここにいるんだろうと思いました。嬉しいのはもちろんなのですが、違和感があります」、しろきつね氏は「夢のような感じです。自分の世界観がこういった受賞という形になって本当に嬉しいです」と喜びを語った。

左よりしろきつね氏、菜花氏、黒銀氏、鳥羽和博氏

 イラスト大賞のプレゼンターを務めた緒方剛志氏の総評では「今回の電撃イラスト大賞には良作が多かったものの審査員が驚くような作品があまりなく、大賞が出ませんでした。金賞、銀賞、奨励賞の評価は僅差で、全体のレベルの底上げはされているものの、定番化されているように感じられました」と総評。

iPhoneを片手に総評を述べる「ブギーポップは笑わない」のイラストでもお馴染みの緒方氏

 イラスト大賞に続いて、メディアワークス文庫賞の贈呈式が行なわれた。同賞は「[映]アムリタ」で応募した野﨑まど氏と「太陽のあくび」で応募した有間香氏の2名が受賞。なお、受賞作品は12月16日に新創刊されるメディアワークス文庫の第1弾として発刊が決定している。

メディアワークス文庫賞を受賞した有間香氏(写真左)と野﨑まど氏(写真右)

 「[映]アムリタ」を受賞した野﨑氏は「連絡をもらったときに賞金が出ることを聞かされ、今年も正月が迎えられるなと思いました。そして1年後にも、正月を迎えられるような作品を作ります」と話した。有間氏は「テレビの通販番組で働いていた際の経験を元に本作を書き上げました。今後は、人間をちゃんと見た作品を作れればと思います」と話した。

プレゼンターを務めた、弊社第2編集部部長・メディアワークス文庫編集長小山直子がトロフィーと目録を渡す

 最後は電撃小説大賞だ。受賞したのは、選考委員奨励賞に「空の彼方」(菱田愛日氏)、「夏恋時雨」(綾崎隼氏)の2作品。電撃文庫MAGAZINE賞に「精恋三国志」(奈々愁仁子氏)。銀賞には「ご主人さん&メイドさま ~父さん母さん、ウチのメイドは頭が高いと怒ります~」の榎木津無代氏。金賞には「ヴァンダル画廊街の奇跡」を書いた美奈川護氏。そして栄えある大賞を受賞したのは「幕末魔法士~Mage Revolution」を書いた田名部宗司氏の6名。

左から、菱田氏、綾崎氏、奈々愁氏、榎木津氏、美奈川氏、田名部氏

 電撃小説大賞賞のプレゼンターは「キノの旅」や「アリソン」などの著者として知られる時雨沢恵一氏が務め、「今まですごく大変だったと思いますが、これからのほうがよっぽど大変です。気を抜かず、来年の忘年会で一緒にカラオケに行けるようにがんばってください」と語った。
 受賞者に今の心境を聞いたところ、大賞を受賞した田名部氏は「まだ夢を見ているようです。なかなか信じられません。歴史モノはどうしても同じ結末になってしまうので大きなウソを入れるのですが、正史との齟齬を埋めるのに苦労しました。初めて出会う歴史を読む人には楽しんでもらえればと思います」とコメント。金賞の美奈川氏は「好きなものを好きなだけ詰め込んだ作品を認めてもらえて嬉しいです」と語った。銀賞を受賞した榎木津氏は「これまでギャグ作品を書いたことはなく、初めて書いた作品で受賞しました。昔から一度メイド物は書いてみたかったので、それが形になって嬉しいです」と話していた。
 奈々愁氏は「歴史や神話を基にして作品を書き上げたので、そのあたりに興味のある人は読んでみてください」と話し、綾崎氏は「最終選考に残ったことは一通り喜んだので、今度は作家として生き残っていくのに必死です」と現在の心境を述べた。菱田氏は「いまだに最終選考に残っているという連絡を担当者から連絡を受けたときの声を覚えています」と当時の感動を話した。

大賞を受賞した田名部氏(写真右)が、プレゼンターの時雨沢氏と固く握手を交わす

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