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初音ミクがグリグリ躍る「MMD」の現状と未来

2009年10月23日 16時00分更新

文● ノトフ

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MMDはもはやただのソフトではなく「ジャンル」の1つ

―― MMDは数々のモデルやアクセサリー、関連ツールなどを沢山のユーザーが作っていて、そういったユーザー同士の動きが面白いなと思ってます。

ポンポコ そうですね。MMDって、裏で頑張ってくれている人が沢山いるんですよ。モデルやアクセサリや、コンバーターツールに技術の共有。そういったことをみんなが惜しげもなく、どんどん出しているのは珍しいんじゃないかなと思いますね。

MMD内で使える装飾品、アクセサリーは有志の投稿で増えていく。「花束」や「パワードスーツ」など種類は様々だ

かんな そういう意味では、コミュニティが出来ているっていうのが凄く大きいですよ。モデラー、モーションを作る人、カメラワークや、演出を担当される方……。そして、その情報を集積するwikiの編集者。

 皆さんが「にゃっぽん※6をはじめ、2ちゃんねる、したらば掲示板、IRCチャットやSkypeチャット、Twitterなどのコミュニケーションツールを有効活用して情報共有出来ているのは大きいなと思います。もちろんニコニコ動画がベースにあるんですけど。

※6 にゃっぽん : ボーカロイドの情報に特化した、個人運営のSNS。

ポンポコ ただニコニコ動画は悪い面もあるんですよね。あそこのコメントはモチベーションを左右しますから。

かんな 樋口さんがブレンダーで動画を作られて公開したとき、結構色々なコメントが書かれていたそうなんです。そのときに(批判的コメントを気にして)樋口さんが3Dから手を離していたら、今の時代はないんですよね。これはあにまささんもそうだったかもしれません。

 時折、新しく参加された動画に対して辛口だったり批判的なコメントがあったりしますが、そうなるとモチベーションの維持がすごく難しいですよね。これはMMDの問題じゃなくてニコニコ全体の問題でもあると思うんですが。もっとも、ニコニコ動画という同じ土俵に立つなら、そういったものを含めて受け入れたり、あるいは忘れてしまうという手段も必要かもしれません。

有名な音楽PVをイメージした動画も投稿された

―― なるほど。でも、同じジャンルの方で集まって好きな話が出来るのは楽しそうですよね。

ポンポコ 最初は一人で黙々とやっていて寂しかったですけど、にゃっぽんに誘ってもらってからは楽しみ方が変わりました。仲間と楽しみながらやっている感じに変わりましたよ。お互いに同じ趣味をもっている仲間と一緒にやるっていうのは強いですよね。

―― 初音ミクを使ってDTMをしている方と、コミュニティーは違いますか?

かんな にゃっぽんの中でも浮いた存在かもしれません(笑)。作曲系のユーザーの方でもMMDを使っている方は結構いるんですよ。ただ、それがMMDコミュに所属するかというと、それはまた違う。MMDをメインで作られている方は、また別のジャンルかもしれませんね。

 ニコニコ動画の中でも「MikuMikuDance」のタグは独自のものができてますし。特に第3回のMMD杯からは「ニコニコダンス」って言われるようになりました。アイマスや東方や版権キャラも含めて、色んなキャラのモデルが生まれてきてますからね。

ボーカロイド専門SNS「にゃっぽん」内のMMD関連コミュニティ。ここでのコミュニケーションから作品が生まれてくることも

―― 現在はミクだけに限られず、本当に幅広く使われているツールだと思います。

ポンポコ よく2ちゃんねるで「MMD」はカテゴリなのかツールなのかって話題になるんですよ。つまり、Photoshopはツールだけど、それで描いたものを「Photoshopカテゴリー」とは言わないじゃないですか。

 それと同じで「MMD」で作ったモノを、今は「MMD作品」というカテゴリーでくくっていますけど、将来そのカテゴリはどうなるんだろうと。それはMMDがその域まで進化しているということなんですよね。ツールととらえるのか、ジャンルととらえるのか。今はそれも人それぞれなのかなと思いますが。

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