ゲーム開発者の目から発想、「自由に使えるのが理想的」
企業として利益面を重視するものと思いきや、近藤氏は「トータルではマイナスかもしれないが、自分たちの得られるものはプラスマイナスゼロになると思う」とけろりとしたもの。「ゲームミュージックを通じて、興味を持ってくれればそれでいい」のだという。
そこまで泰然とした態度をとれるのは、企業ではなくあくまでも作り手として、ゲーム開発者として発想をしているためでもある。
「ゲーム開発者の目線から見ると、ゲームミュージックは開発現場で自由に使えるのが理想的なんですよね。それがあって自分たちで楽曲の権利を管理してきたので、今回の話もその延長として考えています」
楽曲の著作権が管理機構に委託されている場合、制作会社は楽曲の権利を使用させてもらうという形になる。ゲームというコンテンツを作る上での「身軽さ」を求める意志も、今回の英断につながっているのだ。
「これからもゲームをリリースするたびに使える楽曲は増えていきます。個人の方はもちろん、番組の制作者や、演劇をされている方など様々な方に使っていただきたいと思っています。色々な場面で自分たちの曲が聞こえてくるというのが、私たちの夢ですね」
近藤氏はそう言い終えると、ちょっと照れくさそうにはにかんで見せた。