撮影結果に関しては、広角から望遠まで特に描写が良いというわけではなく、どちらかといえばやや甘い印象やエッジの着色が見られるものの、光学20倍もの高倍率でも大きな破たんが見られないこと自体は高く評価できるだろう。SP-560UZなどで見られた連写時の画質低下に関してもかなり改善され、記録画素数の低下を気にしなければ十分使える機能になったと言える。
これまで、SP-500UZシリーズやその前身である「C-700UZ」シリーズはあくまで手頃な価格の高倍率ズーム機という存在であり、運動会などで子供を撮るようなホームユースをメインターゲットにしたモデルだった。本機ではかなり路線を変えてマニュアル操作が楽しめるカメラ趣味のユーザーに向けた高機能機という色合いが強くなっており、どちらかといえば同社のハイエンドコンパクト「C-x0x0Wide Zoom」シリーズ(2005年発表の「C-7070Wide Zoom」が最新)を彷彿とさせる一台だ。
一眼レフ機の低価格化によって高級・高機能コンパクトというジャンルには機種数が少なくなり、特にオリンパスでは入門機の「FE」シリーズと多機能コンパクト「μ」シリーズ以外のモデルはかなりさびしい印象だった。高機能コンパクトというジャンル自体はキヤノン「PowerShot G」シリーズなどがリリースを続けており、最近ではリコーの「GR」などによって再びここが注目されているようだ。
これまでのSP-500シリーズの印象から高倍率ズーム・高速連写というスペックばかりが注目されやすいが、本機は同社が久々にリリースした高級コンパクトと言える。操作性の不備など若干の不満はあるものの、強力な撮影機能とマニュアル撮影機能を詰め込んだ点などは高く評価したい。
CAMEDIA SP-570UZの主なスペック | |
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製品名 | CAMEDIA SP-570UZ |
撮像素子 | 1/2.33インチ有効1000万画素CCD |
レンズ | 光学20倍ズーム、f=4.6~92mm(35mmフィルムカメラ換算時:26~520mm)、F2.8~4.5 |
静止画撮影 | 最大3648×2736ドット |
ISO感度 | AUTO、高感度AUTO、ISO 64/100/200/400/800/1600、ISO 3200/6400(500万画素相当記録) |
動画撮影 | 640×480ドット、30fps、MotionJPEG圧縮AVI形式 |
液晶ディスプレー | 2.7インチTFT、約23万画素 |
EVF | 約23万画素 |
記録メディア | 内蔵フラッシュメモリー約45MB&xDピクチャーカード |
インターフェース | USB、AV出力、DC入力 |
電源 | 単3形電池(アルカリ乾電池/ニッケル水素充電池対応) |
撮影可能枚数 | 約390枚 |
本体サイズ | 幅118.5×奥行き84×高さ87.5mm |
重さ | 約445g(本体のみ) |