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「人件費がトークンコストに変わる」エージェント時代に備える、Dell Technologies Worldレポート

AI活用企業を悩ませる“トークンコスト”問題 デル・テクノロジーズが示したいくつかの解決策

2026年06月29日 09時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 生成AIの業務利用が本格化する中、企業ではクラウドAIサービスの利用料である“トークンコスト”の急増が問題となっている。これからAI利用がさらに高度化し、24時間休むことなくタスクを処理し続けるAIエージェントが普及すれば、この従量課金コストの問題はますます深刻になるだろう。

 「過去12カ月間で、1トークンあたりのコストは約80%下落した一方で、トークンの消費量は10倍になった。生成AIソフトウェア(サービス)に対する企業支出は3倍に増えている」

 5月に米国で開催された「Dell Technologies World」において、同社 副会長でCOOを務めるジェフ・クラーク氏はこう語った。トークン単価は劇的に下がったものの、それを打ち消す勢いで企業内のAI利用が加速し、トークンコスト全体ではむしろ増加する流れが生まれている。同社 会長兼CEOのマイケル・デル氏も「トークン消費量は2030年には3400%増加」という予測を示している。

 本格的なAI活用、AIエージェントが浸透する時代を見据えて、企業はいま“トークンの経済性(トークノミクス)”を考える時期に来ている。

Dell Technologies 副会長兼COO(最高執行責任者)のジェフ・クラーク(Jeff Clarke)氏

「人件費よりもトークンコストを重視」 AIエージェント時代の企業に大きな変化

 Dell Technologies Worldの基調講演で、クラーク氏は、この1年間でAI周辺に起きた“10大変化”をまとめた。

 このうち、トークンコストに関係する変化としては、まず前述の「トークン単価の下落」と「トークン消費量の増大」がある。トークン消費量が10倍に増えた背景には、企業内におけるAI利用の浸透だけでなく、1つの処理で数百万トークンを扱えるAIモデルのコンテキストウィンドウ拡大や、フィジカルAIの本格活用の始まりといった理由もあるという。

 「Dell社内のエンジニアグループでも、かつては1カ月かけて消費していた量のトークンを、わずか数時間で消費するようになっている。これは何かがおかしくなったわけではなく、AIエージェントが正しく動作している証だ。エージェント時代にはこうしたことが起きるので、企業はしっかりと備えなければならない」

 一方、AIがもたらす成果にも、この1年間で大きな変化が起きている。マイケル・デル氏も指摘したが、AIエージェントを前提とした業務プロセスを再構築することで、これまでのような“20%、30%”ではなく“20倍、30倍”の生産性向上が期待できる(関連記事:「30%ではなく“30倍”の生産性向上へ」 AIエージェント時代に求められるIT基盤、マイケル・デル氏が語る)

 クラーク氏は、こうした大きな成果の95%は、社内でわずか5%にすぎない“AIのスーパーユーザー”が生み出すことになると語る。このスーパーユーザーとは、エージェントの効果的な扱い方を習得し、リサーチからコーディング、モデリング、戦略分析まで、あらゆる業務で自在にエージェントを活用できるユーザーのことだ。

 そのため「AI導入の投資対効果を“組織全体の平均値”で測っても、正しい戦略は立てられない」と強調する。「本当に考えるべきなのは“わが社のAIスーパーユーザーは誰か、どこにいるのか”ということだ」(クラーク氏)。

 さらにクラーク氏は、これからの企業では、人員コスト(人件費)よりもトークンコストを注視するようになると話す。「これまで、認知的作業(Cognitive Work)の成果は人間の労働時間に比例すると考えられてきたが、AIエージェントが働くこれからは、ビジネス成果はトークンコストに比例するものになっていくだろう」(クラーク氏)。

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