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住宅用PPAの課題に取り組む、エナジー・ソリューションズ×あすかソリューション×ソフトバンク

「太陽光のゼロ円設置」を加速 住宅用PPAの普及を支える遠隔監視・運用の仕組みとは

2026年03月30日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ソフトバンク

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 日本の太陽光発電市場において、これから急速な拡大が期待されるのが「住宅用PPA(Power Purchase Agreement)」のビジネスだ。“初期費用ゼロ”で自宅に太陽光設備を設置できる住宅用PPAは、家主の経済的負担を軽減するとともに太陽光発電の普及を加速させる新たなモデルであり、2030年には年間9万軒規模の導入が見込まれている。

 この住宅向けPPAビジネスを展開する事業者に欠かせないのが、各家庭の発電量や消費電力を正確に把握し、課金するためのEMS(エネルギー管理システム)とスマートメーター、そして両者の間をつなぐ通信回線である。ただし、このビジネスは10年、20年をかけて収益を上げていくモデルであり、導入コストも運用コストも低く抑えなければ成り立たない。

 その課題解決に取り組むため、PPA事業者向けサービスを提供するエナジー・ソリューションズでは、あすかソリューション製の多機能で高信頼なスマートメーターと、ソフトバンクがアジア太平洋地域で独占販売パートナーとして取り扱う、プリペイド型のIoTプラットフォーム「1NCE(ワンス) IoTフラットレート」を採用した。

 今回はエナジー・ソリューションズ 代表取締役社長の森上寿生氏、あすかソリューション 技術顧問の西川弘記氏に、急拡大が見込まれる住宅用PPA市場の課題、両社ソリューションの強み、そして1NCEの採用で得られたメリットをうかがった。

“初期費用ゼロ”の太陽光設備導入、急拡大が見込まれる「住宅用PPA」

 住宅用PPAは、PPA事業者が導入コストを負担して一般住宅に太陽光設備を設置し、発電した電力を家主や電力会社に売る(売電する)ことで、10年、20年単位で長期的に導入コストを回収し、利益を得るビジネスである。

“初期費用ゼロ”の太陽光設備導入を可能にする「住宅用PPA」の仕組み

 住宅用PPAが注目される背景には、社会の脱炭素化を目指す政府や自治体の動きがある。政府では、2030年までに新築戸建住宅の約60%に太陽光発電設備を設置することを目標に掲げている。また、東京都、京都府、川崎市などでは、新築住宅への設置が義務化され、この動きは今後、全国に拡大していくものと見られている。

 しかし、住宅への太陽光設備の導入には、1戸あたり平均で200万円程度がかかるという(太陽光パネルと蓄電池をセット導入した場合)。家主としては、住宅のコストに太陽光設備のコストまで上積みされるのでは負担が重い。そこで、導入コストをゼロにする方法として、住宅用PPAへの注目が集まっているわけだ。

 実際に、国内の住宅用PPA市場はこれから急速に拡大していく見込みだと、エナジー・ソリューションズの森上氏は説明する。

 「日本では、1年間で約25万軒の住宅が新築されます。2030年には、そのうちの60%に太陽光設備が設置され、さらにその60%が住宅用PPAを採用すると予想されています。つまり住宅用PPAは、2030年には年間で9万軒程度の市場規模になります。ハウスメーカーがPPA事業者とタイアップ(協業)する動きも始まっており、2030年以降の市場はさらに拡大していくでしょう」(森上氏)

エナジー・ソリューションズ 代表取締役社長の森上寿生氏

住宅用PPA向けEMSサービスを開始、その実現に不可欠だったスマートメーター

 森上氏が2010年に設立したエナジー・ソリューションズでは、設立当初から「脱炭素社会の実現」をテーマに掲げ、再生可能エネルギーの拡大に向けたエネルギー業界向けITソリューションを提供してきた。

 同社では、2012年から太陽光発電所向けEMSサービス「ソーラーモニター」を提供しているほか、オフグリッド(自家消費太陽光発電)向け、系統蓄電池向けなどのEMSサービスも展開しており、この分野では高い実績を持つ。

 そして、これからの市場拡大を見据え、2021年に提供を始めたのが住宅用PPA事業者向けの「ソーラーモニターオフグリッド for MAスマートメーター」である。このサービスでは、あすかソリューションが開発した「MAスマートメーター」が採用されている。

あすかソリューションの「MAスマートメーター」(写真はカバーを外したところ)

 森上氏は「このスマートメーターがなかったら、サービスは実現していませんでした」と、MAスマートメーターを高く評価する。なぜこれが不可欠だったのか。それは、このスマートメーターが“1台4役”の優れた機能を持つからだ。

 住宅用PPA事業者が契約住戸や電力会社へ売電するためには、太陽光による発電量だけでなく、「住宅が自家消費した電力量」や「電力会社に売った電力量(売電量)・買った電力量(買電量)」も正確に把握しなければならない。

 こうしたデータを1台でまとめて取得できるのが、MAスマートメーターの特長だ。あすかソリューションの西川氏は、次のように説明する。

 「一般的なスマートメーターは買電量しか扱えませんが、MAスマートメーターでは、発電量・売電量・買電量のデータをまとめて把握し、サーバーに一括送信できます。自家消費した電力量は発電量から売電量を差し引けば分かりますから、PPA事業者は課金スキームを実現できます。当社はこの仕組みで特許を取得しています」(西川氏)

あすかソリューション 技術顧問/パワーメッシュ 代表の西川弘記氏

 さらにMAスマートメーターは、太陽光設備に必須のパワーコンディショナー(直流/交流変換装置)の遠隔監視機能や、通信モジュールも本体に内蔵している。つまり、住宅用PPAで必要な機能が、この1台だけですべてそろうわけだ。複数のメーターや通信機器を組み合わせるよりも低コストであり、工事やメンテナンスも簡単になる。

MAスマートメーターは太陽光による発電量を計測するとともに、電力会社のスマートメーターからBルート情報(売電量/買電量)を取得し、モバイル回線経由でそれらをサーバーに一括送信できる(画像提供:エナジー・ソリューションズ)

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