電動車いすWHILLが自動運転に対応 MaaS最後の1ピース目指す
ヒースロー空港などで実用化に向けた取り組みをCES 2019で発表
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自動運転可能な電動車椅子がいよいよ空港から導入される。
高齢化の波は、全世界的な課題だ。日本においても、75歳以上の後期高齢者人口が1700万人を突破。その過半数が500mを超えて歩行することが困難となっている。これらの長距離歩行が困難と感じる高齢者や障害者をはじめとする、すべての人々の移動を楽しく、スマートにすることを目的とした「WHILL自動運転システム」が、ラスベガスで開催中の家電・エレクトロニクス技術展示会「Consumer Electronics Show 2019」通称「CES 2019」で発表された。
「WHILL自動運転システム」は空港などの施設の中での利用を想定し、安全に1km、2kmといった距離を走り回れるタクシーを目指している。現状そうした距離を安全に座って移動できる乗り物はなく、移動のミッシングピースをなくすことも目的だ。
空港では車椅子のレンタル利用者が増えているが、車椅子を押すオペレーションコストが高くなっているほか、利用者が自由に動くことができないなどの問題もある。「WHILL自動運転システム」は、実際にスキポール空港(オランダ)、ヒースロー空港(イギリス)、ラガーディア空港(アメリカ)などで実用化に向けた取り組みを進めており、アメリカにおいてはパイロットテストもスタートしている。
5年後のビジョンとしては空港以外にも病院や美術館、ショッピングモールといった施設での運用、将来的には世界中の歩道で公共交通機関のように利用されることを目指し、2020年には公道での実用化を行なう予定としているが、地図情報のない未知のエリアでの走行はまだハードルが高く、法律面の整備なども必要となっている。
WHILL代表取締役兼CEOの杉江 理氏は「現在、公共交通機関を降りた後の目的地までのわずかな距離を歩けない人々が、そのために外出をためらっています。そこで、誰もが自由に、当たり前のように自分の足として利用できるサービスとして、目的地までの数キロメートル、ラストワンマイルをつなぐ「最後の1ピース」としての役割をWHILLで果たしたいと考えています」とコメントしている。
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