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月の裏側を目指す中国の「嫦娥4号」、まもなく打ち上げか?

2018年12月07日 06時28分更新

文● Erin Winick

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もし成功すれば、嫦娥4号(じょうが:Chang’e-4)は月の裏側に着陸する初の月着陸船となる。

中国国家航天局(CNSA)は、この件に関する情報を徹底的に秘匿している。嫦娥4号の打ち上げ日の公式発表はないが、北京時間(中国標準時)12月8日未明(UTC(協定世界時)では12月7日)に打ち上げるというだ。着陸地点はフォン・カルマン・クレーター(Von Kármán crater)と予想されている。フォン・カルマン・クレーターは、月で最大かつ最深、最古の盆地の一部だ。

月の裏側には数多くのクレーターが存在するが、嫦娥4号は着陸後、そうしたクレーターをくまなく探査することになる。また、電波天文学に関するさまざまな実験を実施し、月の重力下で植物が生育できるかどうか検証する予定だ。月の裏側へ行くには、特別な準備が必要になる。月が電波を遮るからだ。この問題に対処するため、中国は今年5月に通信衛星「鵲橋(じゃくきょう:Queqiao)」を打ち上げた。

中国の月探査計画は2004年に開始された。それ以来、CNSAは嫦娥1号、嫦娥2号と呼ばれる2機の無人軌道周回探査機だけではなく、嫦娥3号と呼ばれる月着陸船も打ち上げてきた。嫦娥3号の月面車は、1976年にソ連がサンプル・リターン・ミッション(地球へ鉱物などのサンプルを送り返す計画)を成功させて以来初めて月に着陸した宇宙船となった。だが、月の裏側までは到達しなかった。2太陰日(地球時間で約1カ月)後、月面車は動けなくなった。

来年打ち上げ予定の嫦娥5号は、月で採取したサンプルの持ち帰りを計画している。米国やインド、日本、ロシアといった国々も、近いうちに月着陸を計画している。グーグル・ルナ・エックス・プライズ(Google Lunar X Prize:民間による月面無人探査を競うコンテスト)に参加していたグループが打ち上げに挑むため、来年には民間による初の月面着陸を目にすることができそうだ。

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