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巨大ハリケーンの降雨量、地球温暖化で「倍増」か

2018年09月18日 06時17分更新

文● Michael Reilly

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地球温暖化の影響により、ノースカロライナ州のより広い地域が、より強い雨を伴う一層激しい嵐に見舞われるであろうことが、画期的な研究で明らかとなった。

「ハリケーン・フローレンス」は、9月14日にノースカロライナ州に上陸すると予測されており、米国気象局は、一部地域で約760ミリを超える降雨が予想されるとしている。一方、ハリケーン上陸前にもかかわらず、 ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の研究者が、ハリケーン・フローレンスがもたらすであろう被害に関し、人間の活動を起源とする気象変動がどのくらい寄与しているかを算出した。 答えはかなり衝撃的だ。予測される降雨量の約50%が人間が排出した二酸化炭素が原因だというのだ。また、ハリケーンの大きさについても約80キロメートル増しとなり、威力が増大していたのである。

研究のやり方は非常に単純だ。まず、実際の世界の気象条件(今回のハリケーンの場合は、気温・湿度・ 海面温度)を使用した気象モデルを実行してハリケーンの降雨量や規模を見積もる。次に、気候が人為的に暖められていなければ観測されたであろう数値を使用して気象モデルを再度実行する。とはいえ、現在に至るまでこの種の研究は、ある天候事象が実際に発生し、収束した後にしか実施されていなかった。たとえば、ある研究では、「ハリケーン・ハービー」が気候変動による影響を受けた可能性が非常に高いと示されている。

気象科学者は、 人間の活動を起源とする気候変動が個々の気象事象に与える影響について、かつてないほど、正確に答えを出せるようになってきた。ここ数年の研究により、人間が化石燃料を燃焼することにより、熱波や吹雪、土砂降りの雨、熱帯低気圧がどれくらい増幅されたかが示されている。研究者たちは現在、差し迫るハリケーンの猛威が、どの程度、人間の活動のせいなのかを示すべく、次の段階へと研究を進めている。

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