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「ネットカルチャー教室」ただいま開講中第26回

口パク動画で10代から支持を得た動画SNS「Tik Tok」とは何なのか

2018年07月24日 17時00分更新

文● ノダタケオ(Twitter:@noda) 編集●ちゅーやん

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 株式会社ジャストシステムが実施した17歳から69歳の男女1100名を対象とする「動画&動画広告 月次定点調査(2018年6月度)」によれば、「動画の投稿や視聴できる動画専用SNSについて、スマートフォンユーザーにおける認知率は『YouTube』(81.1%)が突出して高く、次いで『LINE LIVE』(44.3%)、『ツイキャス』(39.1%)、『Ustream』(28.2%)、『Tik Tok』(27.6%)」であったことを発表しました。
※この調査ではそれぞれのサービスについて「現在利用している」「以前は利用していたが今は利用していない」「知っているが利用したことはない」のいずれかに答えた人たちをまとめて、サービスの存在を知っていることを表す「認知率」としてします。

 男性女性の性別ごと、10代から60代の年代それぞれで、特に「現在利用している」と答えた人が多かったYouTubeが、結果的に認知率が最も高いサービスとなるであろうということは、誰もが予想できる当然の結果であるかもしれません。

 そして、YouTubeに続いてサービスの認知率が高かったのはLINE LIVE。

 LINE LIVEはLINEアカウントやTwitterアカウントで一般のユーザーもライブ配信ができるサービスです。その一方で、アイドルや芸能人といった著名人が出演する公式のライブ配信も多いことから、10代から20代の若い世代の人たちを中心に「配信はしたことないけれども視聴したことがある」「視聴したことはないけれどもサービスの存在は知っている人」は多いことがわかります。

 さらに、2010年からのライブ配信サービス黎明期を支え、いまでもライブ配信のサービスの中では若い世代の人たちにも人気があるツイキャスと、既に日本からサービスを撤退してしまったUstreamが続いています。ただ、この調査結果で最も注目すべき点は、若い世代の人たち、特に10代の人たちから人気を集めている「Tik Tok(ティックトック)」がその後に続いていることではないでしょうか。

インスタへの写真動画投稿の流行を超えるかもしれない人気の「リップシンク動画」

 15秒の短い動画を撮影し、加工して共有(投稿)することができるスマートフォン向けの動画共有サービス「Tik Tok」。いま投稿されている動画のほとんどは口パク動画、いわゆる「リップシンク動画」と呼ばれるものが主流です。

 動画作成時に選んだ楽曲に合わせて口パク(音声と同期して口を動かす)してみたり、リズムにあわせてダンスしたり、CMに合わせて口パク(なりきり)するものまで、一昔前で言うニコニコ動画やYouTubeへ投稿される「歌ってみた」「踊ってみた」動画を15秒に短くしたようなリップシンク動画がTik Tokに多く投稿されています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000030435.html より

 6秒間の動画がループ再生される動画共有アプリ「Vine」(※Twitterに買収された後、2017年1月サービス終了)とカップル動画投稿が人気を集めている「MixChannel」。そして、顔認証スタンプの仕組みが人気の「Snow」。これらは、どれも10代の若い世代の人たちから人気を得ていたサービスですが、この3つのサービスを掛け合わせた形とも言える「Tik Tok」は若い人たちの心をつかもうとしているところです。なにより投稿された動画の数の多さがいまのTik Tok人気をよくあらわしています。

 つまり「インスタ映え」という言葉を生んだInstagramの人気にも迫るぐらいの勢いがあるサービスがTik Tokである、とも言えるのかもしれません。

早いスピードでサービスが大きくなっていくTik Tokの今後に注目

 先に紹介した調査結果へ話を戻し、10代のスマートフォンユーザーだけに目を向けてみると、サービスの認知率は「「YouTube」(88.3%)「ツイキャス」(73.6%)「Tik Tok」(71.5%)「LINE LIVE」(69.5%)「MixChannel」(62.0%)」となり、全体では5番目に位置していたTik Tokが3番目へ上がります。

 さらに、6割以上の認知率をもち、特に10代の若い世代に人気なサービスであるLINE LIVEやMixChannelをも超え、7割以上が「Tik Tok」を認知していることにも注目すべき点であると言えるでしょう。

 2017年夏に日本でリリースされたばかりのTik Tokですが、App StoreやGoogle Playストアの無料アプリのランキングでも共に1位(2018/07/23現在)となっていることもあり、まだまだTik Tokの勢いは衰えることはありません。そして、今年2018年はこうした「リップシンク動画」が流行する年となる、とも言われています。

 この1年ほどの間、特に、Tik TokはライバルとなるYouTubeへ積極的に広告を展開していくことで、YouTubeで動画を頻繁に視聴している10代の若い世代の人たちを多く取り込むことに成功しているように感じます。

 おそらく、当面の間は、10代の子どもたちを中心としたショートビデオコミュニティとして、Instagramとは違って大人たちは入り込みにくい、MixChannelのような独特のその文化を築いていくことになるのでしょう。

 Tik Tokの現状の課題は、投稿してもらうきっかけ作りです。流行に敏感な10代の子どもたちを虜にするサービスとして好スタートを切った一方で、早いスピードでサービスが成長してきた分、投稿してもらうためのきっかけ作りなどのさまざまな工夫を、早いテンポで常にしていかねばなりません。

 もちろん、早い成長スピードを落とさず、如何に更に発展していくのかということもTik Tokに注目していくべきポイントのひとつです。そして、Tik Tokの発展によって、スマートフォンを活用した動画投稿の今後のトレンドに影響を与えていくことでしょう。

ライブメディアクリエイター
ノダタケオ(Twitter:@noda

 ソーシャルメディアとライブ配信・動画メディアが専門のクリエイター。2010年よりスマホから業務機器(Tricasterなど)まで、さまざまな機材を活用したライブ配信とマルチカメラ収録現場をこなす。これらの経験に基づいた、ソーシャルメディアやライブ配信・動画メディアに関する執筆やコンサルティングなど、その活動は多岐にわたる。
nodatakeo.com

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