3月27日(現地時間)、ファーウェイはパリで新製品発表会を開催しました。2017年のベストカメラフォンとも呼ばれる「HUAWEI P10」を進化させた後継モデル「HUAWEI P20」、トリプルカメラの「HUAWEI P20 Pro」、そしてポルシェデザインとのコラボモデルにも新型モデルとして「HUAWEI Mate RS」が加わるなど、内容盛りだくさんの内容でした。
AIが強化され、さらに美麗な写真が撮れるように
「HUAWEI P20」
まずはHUAWEI P20 Pro/P20が発表されました。この2つの製品は「Master Photography Powered by AI」と紹介され、カメラスペックが強力なだけではなく、AIにより美しい写真が誰にでも簡単に撮影できます。HUAWEI P20はデュアルカメラ、HUAWEI P20 Proは3つのカメラを搭載し、スマートフォンのカメラの中でもベスト中のベストモデルと、ファーウェイのコンシューマービジネスグループCEO、リチャード・ユー氏は誇らしげに説明しました。
HUAWEI P20 Pro/P20はカメラ以外にも大きな進化を遂げています。それは本体のデザイン。調和のとれた美しいデザインはスマートフォンにスペック以外の部分で選択肢を与えてくれます。また背面のロゴやカメラレンズの配置は、HUAWEI P20 Pro/P20をカメラとして使うことを第一に考えた設計になっています。通常は水平方向に入るメーカーロゴが、HUAWEI P20 Pro/P20では横向きに入っています。写真撮影時に本体を片手で横向き機に持つと、このロゴ配置によりHUAWEI P20 Pro/P20がデジカメのようにも見えます。常に写真を撮ることを考えたデザインに仕上がっているのです。
カラーバリエーションはグラファイト・ブラック、ミッドナイト・ブルー、ピンク・ゴールド、トワイライトの4色。このうち後者2つはグラデーションがかかっており、光の当たり具合でいくつもの表情を見せてくれます。トワイライトは製品パッケージにはパープルと書かれていますが、背面上側がパープル、下側がブルーの2色にわかれています。そしてその2色が、黄昏時の薄明りのように美しいグラデーションをまとっているのです。本体にプリインストールされているテーマも同様にグラデーションを効かせたものを多数用意。本体の外面も内面もエレガントな仕上げになっています。
HUAWEI P20シリーズ共通のデザインコンセプトが説明されたあとは、いよいよ両モデルの紹介です。まずはHUAWEI P20。ディスプレーは5.8型で、RGBの3色にW(ホワイト)を加えた4色の液晶を採用。アスペクト比は約18.7:9でディスプレー上部にはノッチがあります。画面の輝度は最大770nitで、これはiPhone Xより23%明るいとのことです。なお、今回の発表会ではところどころ、特にカメラの比較ではiPhone XとGalaxy S9が引き合いに出されていました。
プロフェッショナルな写真が撮れる 「HUAWEI P20 Pro」
一方、HUAWEI P20 Proは6.1型の有機ELディスプレーを採用、こちらもアスペクト比は約18.7:9となります。HUAWEI P20のディスプレーを大型化したモデルであれば「HUAWEI P20 Plus」と名付けられるべきでしょうが、HUAWEI P20 Proはサイズが大きいことが売りではなく、よりプロフェッショナルな写真撮影ができることから「Pro」の名前が付けられています。
HUAWEI P20シリーズで最も目立つノッチ部分ですが、iPhone Xよりも横幅を狭くしています。その分、ノッチの左右部分にはより多くの情報を表示することが可能になりました。またノッチの内側には左にスピーカー、右にフロントカメラを搭載しています。
どちらのモデルも本体サイズはスリムながら、HUAWEI P20は3400mAh、HUAWEI P20 Proは4000mAhの大型バッテリーを搭載しています。HUAWEI P20はiPhone Xより25%も容量が増えていますし、HUAWEI P20 ProはGalaxy S9+より500mAhも大型化しています。どんなに高性能なスマートフォンでも、電池の持ちがよくなければ本末転倒です。HUAWEI P20 Pro/P20は高い性能をフルに使っても1日中使えるだけの電池容量を誇っています。
なおHUAWEI P20はIP53の防滴、HUAWEI P20 ProはIP67の防水防塵に対応。海外メーカーのスマートフォンも最近では防水対応機種が増えていますが、この2つのモデルも屋外で比較的安心して使うことができます。
続けて両モデルの最大の特徴であるカメラの説明に移ります。まずはHUAWEI P20。12メガピクセルのRGBカラーと、20メガピクセルのモノクロの組み合わせはHUAWEI P10と変わりません。しかし、レンズはそれぞれF1.8、F1.6とより明るくなっています。さらにはピクセルサイズが1.55μmと大型化されました。
HUAWEI P20 Proはカメラの数が3つに増えましたが、40メガピクセルと超高画質なカメラを搭載。さらには3倍の望遠レンズが加わり、遠近どんなシーンでも撮影を苦にしません。カメラ周りを見ると、プロ仕様ともいえる複雑な構成になっています。一番外側が3倍望遠カメラ。そして真ん中が40メガピクセルカメラとなりますが、両者の間にはレーザーフォーカスのセンサーを搭載。そして、その次に位置するモノクロカメラの下には色温度センサーとフラッシュを備えています。
このようにカメラ性能を高めた2つの製品ですが、採用するセンサーの大きさも他社品を大きく上回っています。HUAWEI P20は1/2.3型、HUAWEI P20 Proは1/1.7型で、iPhone Xの1/2.9型、Galaxy S9+の1/2.55型より大きいものを採用しているのです。そしてその次に発表されたISO感度には会場から大きなどよめきの声が聞かれました。HUAWEI P20 ProのISO感度は102400で、これはiPhone XとGalaxy S9+の6400をはるかに上回ります。さらには比較として出された製品がキヤノンのEOS 5D Mark IV。最高ISO感度をHUAWEI P20 Proは一眼レフカメラに匹敵するのです。
このISO感度がどれくらいすごいのか、実際の作例が紹介されました。1ルクスというほぼ真っ暗なシーンでも、HUAWEI P20 Proはしっかりと被写体を撮影してくれます。カメラ性能の高いGalaxy S9+ではわずかにディテールが見える程度。そして、iPhone Xでは全く被写体を映すことができません。人間の目で見えない状況でも、HUAWEI P20 Proなら写真撮影が可能だというのです。
ここまで高いカメラ性能を誇るP20 ProとP20は、カメラ性能の評価指数であるDxO Mark Mobileでそれぞれ総合109、102と100以上のポイントを得ています。写真では114と107でこれも高い数値です。リチャード・ユーCEOは「数値が他社より1つだけ高いのではなく、3ポイント以上もリードしている。これはP20とP20 Proのカメラ性能がダントツに高い結果を表している」と説明します。
そのほかのカメラ機能を見ていきましょう。まずはAIによるシーン判断。19のカテゴリ、500を超えるシーンを自動判別し、最適なシナリオで写真撮影を行なうことができます。また960fpsのスーパースローモーション撮影も可能に。そして従来の光学手振れ補正よりも高性能なAI手振れ補正も搭載。これによりトライポッドを使わなくても、手持ちで夜景などの長時間露光時にぶれのない撮影が可能。6秒程度まで手持ちで撮影できるとのことです。
この後は写真作例がいくつか紹介されましたが、特に夜間撮影での強みを大きくアピールしていました。スマートフォンを使っての夜景や夜の人物撮影などは、これまでなら「どうせキレイに映らない」と撮影すらしない人が多いことでしょう。しかし、HUAWEI P20 Proならば夜間でも昼間のように、明るくきれいな写真を撮れるのです。作例にはリチャード・ユーCEOが自ら撮影した写真も紹介されており、同氏もHUAWEI P20 Pro/P20のカメラ性能について自らお墨付きを出していました。