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アップル、iOS 11.3の新機能を公表 性能低下問題に設定項目追加で対応

2018年01月25日 20時00分更新

文● 二子/ASCII編集部

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 アップルは今春にリリースを予定している、iOSの新バージョン「iOS 11.3」の新機能について、ニュースリリースで情報を公開している。開発者向けパブリックベータプレビューはすでに提供が開始されている。対応機種はiPhone 5s以降および、iPad(第5世代)/iPad mini 2以降、iPod touch(第6世代以降)となっている。

 新機能としては、まずはARの強化。テーブルや椅子といった地面に対して水平な面に加え、壁やドアのような垂直な面も認識することで、仮想オブジェクトを置くことが可能になる。また、看板やポスターといった2Dイメージの位置を検出することで、その看板やパスタ―の上にインタラクティブなコンテンツを組み合わせることなどもできる。これらのコンテンツを開発するためのARKitの新バージョン、「ARKit 1.5」も用意される。

 アニ文字については、ドラゴン、熊、頭蓋骨、ライオンという4種類のキャラクターを追加。計16種類から選べるようになる。

 ただ、最も注目されるのが、バッテリー劣化による性能低下問題への対応だろう。アップルの主張によると、iPhoneを長く使ううちに内蔵バッテリーが劣化した場合、負荷が大きくかかったときのピーク電流に応えられなくなり、不意のシャットダウンが生じるケースがあるという。それを防ぐために、バッテリーが劣化したケースでは端末のパフォーマンスを落としていたとのことだ(iOS 10.2.1でiPhone 6/6s、SEに対して同機能を追加、iOS 11.2でiPhone 7にも拡大)。

 この問題で重要なのは、端末のパフォーマンスを落としていることをユーザーに知らせたり、情報を公開するなどしていなかった点にある。その結果、新しいiPhoneへの買い換えを促進するためにそのような仕様を加えていたのではないかと、ユーザーが不信に感じたわけだ。

 アップルはすでにiPhone 6以降のユーザーに対し、2018年12月まではバッテリーの交換料金を本来の8800円から3200円に値下げする対応を発表している。さらにiOS 11.3では、バッテリーの修理が必要な場合にユーザーに推奨してくれるほか、バッテリーの状態に合わせて端末の最大パフォーマンスを制限する電源管理機能について、ユーザーの判断でオフにできる設定が加わる。


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