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フルサイズ一眼とAPS-C一眼はそんなに違うのか!? 第1回

フルサイズ一眼「EOS 6D MarkII」とAPS-C一眼「EOS 80D」、差額10万円の違いはどんなもの!?

2017年08月08日 12時00分更新

文● 周防克弥

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 デジタル一眼レフには、大きく分けてフルサイズ機とAPS-Cサイズ機がある。フルサイズ機はプロやマニア向けの印象が強く、APS-C機はアマチュア向けやエントリー機種に多いという印象だ。

 しかし、例えばキヤノンのラインナップでは、フルサイズ機の「EOS 6D MarkII」とAPS-C機の「EOS 80D」は同じミドルクラスモデルという位置づけだ、

 ただし、ボディーのみの実売価格は前者が24万円前後、後者が11万円前後とかなり開きがある。この価格の違いほどフルサイズ機とAPS-C機は違うものなのか? 本特集では画質も含めて比べてみたいと思う。

フルサイズ機とAPS-C機の違いは撮像素子の大きさ

 そもそもフルサイズ機とAPS-C機の違いは何かというと、撮像素子の大きさの違いである。

 35mmフィルムを使う(デジタルじゃない)一眼レフの画面サイズは24×36mm。これとほぼおなじ大きさの撮像素子を採用しているデジカメをフルサイズ機と呼ぶ。

 これは元々が銀塩カメラを作っていたカメラメーカーが交換レンズなどの互換性を持たせる意味もあってデジカメにも採用したサイズで、正確に言うなら35mm判フルサイズと言うのがより正確だろう。

 APS-Cサイズ機も同じようなもので、銀塩フィルムの規格であるアドバンストフォトシステム(Advanced Photo System, APS)から来ている。

 APSは富士フイルム、イーストマンコダック、キヤノン、ミノルタ、ニコンが共同で開発した新しい写真システムの名称で、1994年あたりから販売がはじまり、2012年頃に消えてしまった規格だ。

 APSには9:16、2:3、1:3のフォーマットがあったが、ここで採用されていた35mm判と同じ縦横比を持つAPS-Cサイズに近いことからそう呼ばれている。

 デジカメのAPS-Cサイズは明確な規格がなく、メーカーだけでなく、同一メーカーでも機種によってサイズは微妙に違っている。

撮像素子のサイズが違うと画角も変わる

 APS-Cサイズは35mmフルサイズよりも小さく、面積比でほぼ1/2であり、同一のレンズを装着した場合に画角が狭くなってしまう。

 レンズに表記されている焦点距離に比べて、キヤノンの場合には約1.6倍に相当する画角になる。ニコンの場合には約1.5倍になるが、あまり細かく考える必要はないだろう。

 大まかに35mm判フルサイズに比べてAPS-Cサイズの場合、焦点距離は約1.5倍、面積比で1/2と覚えておけば問題はない。ちなみにフォーサーズの場合には焦点距離は約2倍で面積比は1/4になる。

 撮像素子の面積で言えばフルサイズ機はAPS-Cサイズ機の約2倍あって、仮に総画素数がフルサイズ機とAPS-Cサイズ機で同じだった場合、画素1つあたりの面積がそのまま2倍になるので受光できる量が増えて画質向上の期待が持てるというのが一般的は話だ。

 そんな画質への期待が持てるフルサイズ機だが、できるだけ高画質に記録をしたいと考えるのはプロに限ったことではなく、趣味で撮る人だって画質にはこだわりたいだろう。

 また、古くから一眼レフに触れてきた人にはレンズに表記されたままの焦点距離で撮影できる点は大きい。

 フルサイズ機が登場した当時はプロ向けということもあり高価だったが、最近はアマチュア向けのフルサイズ機も増え、購入しやすい価格帯の機種も増えてきている。

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