春だから始めよう、プロ並みに撮れる技あり機種【デジカメ特集】 第1回
夜でも撮れるISO 400000超えデジカメ対決! リコー「PENTAX KP」 vs ソニー「α7S II」
2017年03月15日 13時00分更新
フルサイズセンサーでISO 409600まで撮れる
ソニーのハイクラスミラーレス一眼「α7S II」
ソニーのミラーレス機の中でフルサイズ素子を採用する「α7」シリーズ。その中でもちょっと異彩を放っているのが「α7S II」だ。
α7のラインナップを見てみると、スタンダートモデルの「α7 II」は汎用性に優れたフルサイズ素子採用のミラーレス機で、高画素化しローパスフィルターも廃した高精細な画像を記録できる「α7R II」、そして今回レビューするα7S IIは画素数を少なくした分、広いダイナミックレンジと高感度撮影が特徴だ。
センサーサイズはフルサイズだが有効画素数は約1220万画素と、いまどきのカメラ機能を売りにしたスマホよりも少ないくらいだ。
しかし、デジカメの画質において重要なのは画素数ではなく、画素サイズだ。この場合の画素サイズはセンサーサイズよりも画素1つあたりの大きさを示すことが多い。
1つの画素が大きければ大きいほど受光できる光が増えて情報量が多くなり、その分階調の表現幅が広くなる。
また、暗い場所などで光が少ない場合でも、ほかの小さな画素のセンサーよりも多くの光を受けることができる分、画質に有利に働き、ISO感度の設定は最高でISO 409600まで可能になっている。
手ブレ補正機能はボディーに内蔵されている。5軸に対応した補正機能はシャッタースピード約4.5段分の補正効果が得られる。
AFは姉妹機に搭載されている位相差検出方式を併用した「ファストハイブリッドAF」の採用は見送られ、従来どおりの像面コントラスト検出方式の「ファストインテリジェントAF」を採用する。
コントラスト検出方式のみではあるが、決してAF速度は遅くはない。よほど高速で動き回るような被写体ではちょっと追いつかない場合もあるが、普通に使う分には速度も精度も申し分ない性能を持っている。
画素数を上げて高精細化を目指すのではなく、記録解像度が低くなってでも、階調の表現幅を広くしたり、高感度でもダイナミックレンジが広くノイズの少ない綺麗な画質を重視しているデジカメだ。
機能面ではHDRやエフェクト系の機能など、基本的な部分は揃っており普通に使って楽しめて便利な機能が備わっている。
本機は動画機能も重視しており、4K動画の記録も可能になっている。一般的なフルHDのサイズは1920×1080で約200万画素相当だが、4K動画は一般的には3840×2160で単純にフルHDの4倍の面積になっている。
つまり800万画素相当になるので1220万画素あれば十分にカバー可能だ。しかも画面中央部を切り取って4Kにするのではなく、全画素読み出しでの4K動画記録なので35mm判フルサイズで豊富なレンズの表現力を利用できるのが魅力。記録フォーマットはXAVC Sに対応し業務用途にも利用できる。
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