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秋田・湯沢市が取り組んだ経緯

伝わる情報発信へ、求められる自治体サイトのスマホ最適化

2016年02月10日 08時00分更新

文● 川島弘之/TECH.ASCII.jp

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 政府や自治体のWebサイトでスマホ最適化が求められている。スマホ利用者が増える中、災害時の緊急情報をいかに分かりやすく提供するか。PC画面をスマホで表示すると文字は読みづらく、必要な情報を入手するのに手間取れば、生死を分ける可能性すらある。

 なのに、Webサイトのスマホ対応を済ませている自治体は、わずか3割程度――。

スマホ対応済みの自治体はわずか3割程度

 そんな中、自治体サイトのスマホ最適化を無償で行う企業がある。東京港区に本社を置くショーケース・ティービーだ。無償なのは災害情報ページのみに限られるが、自治体にとっては大幅にコストを抑えられる取り組みである。

 すでに大分県日田市および九重町で採用されていたが、2月9日、新たに秋田県湯沢市のWebサイトも、この取り組みを通じて、スマホからでも見やすい形に生まれ変わった。

 同社はなぜ無償で支援を行うのか。そもそも自治体サイトのスマホ最適化が進まないワケは? その弊害は――? 発表会から紐解く。

左からショーケース・ティービー 代表取締役社長の森雅弘氏、秋田県湯沢市副市長の藤井延之氏、ショーケース・ティービー 経営企画室の澤田玲奈氏

自治体の支援を始めた理由

 ショーケース・ティービーは、1996年創業、東京港区に本社を置く企業。PCサイトにタグを1行加えるだけでスマホ最適化が可能な「ナビキャスト」を提供している。ユーザー側で別途スマホサイトを用意しなくていいのが手軽だと、特に金融機関に好評。合計6100ユーザーに導入されている。

スマホ最適化サービス「ナビキャスト」などを提供している

 代表取締役社長の森雅弘氏によれば、「Webサイトを見やすく、分かりやすく、入力しやすくする事業を行なっている。ネットに“おもてなしの心”を掛け合わせることで、利用者に快適さを提供し、豊かなネット社会の実現を目指している」と、そんな企業である。

 本取り組みを始めた背景には、東日本大震災がある。多大な被害を教訓とし、総務省ではICT災害対策強化のためのさまざまなプロジェクトを開始。同社は、その1つである「災害に強い情報ネットワーク構築」のための実証実験に参画し、災害対策スマホアプリ開発に携わった。

自治体を無償支援するようになったきっかけ

 そのプロジェクトが終わった後も、引き続き、CSR活動として自治体のWebサイトを見やすくする活動を始めたのだ。特に災害・防災に関するWebページについては緊急生・重要性を鑑み、「無償で対応することにした」と森社長は語る。

自治体サイトもスマホ利用が増加

 「当社も社員数75名でリソースが限られているため、そんなに沢山は対応できないかもしれないが」としながらも、すでに大分県日田市、大分県九重町、秋田県湯沢市のWebサイトで採用。スマホ最適化が完了している。

 その経緯について、日田市は「Webサイトからの発信を増やしており、スマホからのアクセスが増加。有事の際の避難所からもスマホでアクセスされることが分かったので、平成28年度の対応を予定していた。そこで対応が簡単なこのサービスを知り、採用した」と説明。その経緯を知った九重町が「このような方法があるなら、ぜひうちも」と追随したという。

日田市のスマホ最適化例

 3事例目となったのが、秋田県湯沢市だ。同市はどのような経緯だったのか。 副市長の藤井延之氏が事情を語る。

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