みなさん、こんばんは。ASCII(週刊アスキー+ASCII.jp)編集部の吉田ヒロでございます。さて本日、調査会社であるIDCとガートナーの両社が2015年のPCマーケットシェアを発表しました。
IDCのレポートによると、Appleの米国でのシェアは12.8%で、順位は米HP社、米デル社に続く3位。2014年のシェアが11.8%だったので1%ポイントアップしているほか、出荷台数も約786万8000台から約831万6000台と約45万台増えています。Apple以外で出荷台数が増えているのは4位につけている中国レノボ社。シェアは2014年の10.6%から2015年には12.5%と2%近く増えたほか、出荷台数も約710万1000台から約813万2000台と約103万台増となっています。
ワールドワイドで見ると、Appleのシェアは7.5%で順位は4位。2014年との比較ではシェアが1.2%アップしており、出荷台数は1957万5000台から2079万4000台と120万台超を積み上げて、2000万台の大台を突破しています。ちなみに、1位はレノボ、2位はHP、3位はデルです。ここでの注目はワールドワイドのPC出荷台数が拡大しているのはAppleだけという点。米国市場で大幅に出荷台数を増やしたレノボも、ワールドワイドでみると200万台強の減少です。
ガートナーの調査でも似たような傾向です。
2015年のワールドワイドでのAppleのシェアは7.2%で順位は5位。1位はレノボ、2位はHP、3位はデル、4位は台湾エイスーステック・コンピューター社となっています。IDGの調査とは順位が異なるものの、Macのシェアは7%強とほぼ同じですね。ガートナーの調査でも上位メーカーで出荷台数を増やしているのはAppleだけで、2014年の約1958万8000台から2015年には2074万1000台とこちらも約120万台を積み上げています。
2015年といえば、Windows 10がリリースされ、法人市場を中心にPCのリプレースが大量発生した年でした。米マイクロソフト社は、Windows史上最速でPCやタブレット、スマホなどを含むWindows 10端末が2億台を突破したことを公式発表しています。しかし、PCのワールドワイドの総出荷台数は、IDCの調査では2014年の約3億836万5000台から2015年は約2億7621万6000台と約3200万台の減少、ガートナーの調査でも3億1368万1000台から2億8873万5000台と約2500万台の減少となっています。
Windows 10はスタートメニューが復活したほか、音声アシスタントのコルタナが搭載されるなど、Windows 8/8.1に比べるとかなり使いやすくなっているものの、PCの出荷台数減の歯止めにはならなかったようですね。
一方2015年のAppleは、Retinaディスプレイを搭載した新デザインの12インチMacBookを4月にリリースしましたが、そのほかのモデルはCPUやGPUを強化したいわばマイナーチェンジ止まり。下半期に21.5インチのiMacに4Kモデルが発表されたものの、デザインは従来を踏襲していましたし、Apple自体がスペシャルイベントを開催しなかったこともあり大きな話題とはなりませんでした。そういった状況でも、出荷台数が増加しているというのは、注目すべきことですね。
2016年にはMacBook Air/Proシリーズの大幅なデザイン変更や、現在は12インチしかないMacBookシリーズのラインアップ拡充などが噂されています。噂どおりに新製品が投入されれば、さらなるシェア拡大につながる可能性は高いでしょう。現在は、Office 365やAdobe CCなどOSを問わずに利用できるアプリが増えており、専門的な業務アプリを除けばソフトウェア資産の引き継ぎは簡単です。しかも、MacにはBoot CampというWindowsのネイティブ実行環境も備わっているので、Windowsマシンからの移行のハードルは低いですね。