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プロフェッショナル計器はスマホと連動

ブライトリングの初コネクテッド・ウォッチは驚きの航空プロ仕様

2016年01月06日 12時00分更新

文● 飯島恵里子/ASCII.jp

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EXOSPACE B55(エキゾスペース B55)。文字盤はタッチスクリーンではなく、既存の腕時計のようなアナログ針。着信などは7セグメントのLCDで表示する

 2015年3月に開催された世界一の時計・宝飾品の見本市「バーゼルワールド」でスイスの時計メーカー、ブライトリングが初のコネクテッド・ウォッチ「EXOSPACE B55(エキゾスペース B55)」を発表した。

 先ごろ、仕様の詳細が発表されたが、驚きの本気度合いだ。

世界初のクロノグラフ腕時計を作ったブライトリング

 ブライトリングは本業のパイロットに愛用者が多いが、その理由は単に時刻を知るためではなく「腕に装備する計器」として、使用できるから。ブライトリングの代表的なパイロットウォッチ、「ナビタイマー」は世界初の航空計算尺付きクロノグラフとして誕生し、管制塔やレーダーがなかった時代、パイロットは腕時計についた計算尺を頼りに、速度や燃費を計算しながら空を飛んだという。

 EXOSPACE B55は、まさに現代のナビタイマーというべきプロフェッショナル仕様なのだ。

 例えば、パイロット向けの機能「クロノフライト」は、ブロックタイム(車止めが外され、機体が滑走路を移動し始めた時刻から、車止めが装着された時刻)とフライトタイム(機体が離陸し着陸までの時刻)を時・分・秒単位で最大20まで記録するというもの。操作や記録の保存はEXOSPACE B55側で実施する。パイロットがフライトログを記載する時に呼び出して参照でき、またスマホとつなげればより見やすいというとメリットがある。

 ムーブメントは、2014年に発表されたコクピット B50という充電式クロノグラフに搭載されたムーブメントがベースとなり、多機能化・バッテリー消耗を軽減することに注力したという。B50は、プログラムに不具合があった場合、公認サービスセンターに持ち込む必要があったが、EXOSPACE B55はスマホ経由でプログラムのアップデートができるため、利便性が格段に増しているという。

 ラップタイム、カウントダウン・カウントアップ、それぞれの機能を提供するスマホの既存アプリはすでにあるが、クロノフライト機能のようにブロックタイムとフライトタイムを把握し、記録ができるウェアラブル計器ははかに類を見ない。

 つまり、近ごろのスマートウォッチやウェアラブルブームに乗っかって生まれた、というより最新のプロフェッショナル計器を追求した先にスマホ連動があったという流れのようだ。

離陸した空港と着陸した空港のICAO(国際民官航空機関)コードの入力も簡単

一般ユーザーは何に使えばいい?

 機能がプロ仕様すぎて一般人にとってはドン引きかも知れないが、歩数や活動量がわからなくても、我々が日常で利用できる機能も十分ある。

 Bluetooth LEでスマホと連動するが、文字盤の7セグメントのLCD表示で電話着信、メールやSNSの受信、ミーティングなどの予定、アラーム、第2タイムゾーンを示す。アナログの時分針は液晶に映し出されたものではなく、物体として存在し時刻合わせはスマホと連動する。

 現在、日本では「旅客機の乗客」の場合、航空機のドアが閉まったら電波を出す機器は機能を停止する決まりがあり、機内での利用はそれぞれの国の航空法に則って使用する必要がある。

 さて、スマートウォッチ系で問題になる、バッテリーの持ちだが通常利用で約30日、低頻度で40〜50日に1度の充電でOKという。

 スマホ対応は、iPhone 4S以降でiOS 7.0以上、Bluetooth LE対応でAndroid 4.4以降。EXOSPACE B55自体は既存のスマホOSに依存して稼働するわけではないため、連動するアプリは更新する必要があるが、タグ・ホイヤーなどのAndroid Wear端末とは異なり、OSの開発に影響を受け時計本体が利用できなくなることはないという。

 ケース径46mm、防水性能100m、ケース素材はブラックチタン、価格は税別120万円、2016年2月発売予定。


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