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新MacBookとApple Watchを知る ― 第30回

発売直前! 林信行氏による先行レビュー

まだまだ語り足りない! Apple Watchの細かな工夫を一挙公開

2015年04月23日 21時30分更新

文● 林信行、編集●ハイサイ比嘉/ASCII.jp

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 4月24日まで、あとわずか。いよいよApple Watchの発売が迫ってきた。すでに筆者のレビュー記事「Apple Watch: アップルによる腕時計の再定義」や石川温氏による記事、海外のジャーナリストによるものなど、いくつかのレビュー記事が掲載されている。しかし、それらすべてに目を通しても、この製品の深い作り込みのほんの一端しか露わになっていない。

Apple Watch(42mm)と、ステンレススチル製ミラネーゼループ

 ASCII.jpの発売直前最終レビューでは、多くの人々が気になっているポイントや、そんな特徴があるとは考えもしなかったであろうポイント、Apple Watchの実力が垣間見れるポイントなどをいくつかピックアップして紹介、みなさんが頭の中にイメージしているApple Watch像の新たな輪郭にしてもらえればと思う。

「Apple Watch」は、細かな点まで凝っており、知れば知るほど驚かされる。Apple Watch側面のバンドを装着する溝には、モデルナンバーや、おなじみの「Designed by Apple in California」の刻印がある
「Apple Watch」のパッケージ。こちらも、シンプルながら印象的
樹脂ケースを取り出すと、その中に「Apple Watch」が収まっている
ちなみに、こちらは「Apple Watch」パッケージが収まっていた紙製のバッグ
ヒモ部分は、特殊な製法によって作成された紙であるという。それを示す印刷が、底面にある

バッテリーは本当に弱点なのか?

 インターネットを見ていると、Apple Watchの良さは認めつつも、「バッテリーの持ちが悪いんじゃないか?」と心配する声が驚くほどたくさん見つかる。

 だが、筆者がこれまででApple Watchを使ってきて、1日のうちで寝る前に充電が必要だったのは、朝から深夜まで撮影があった時のただ1回だけだ。製品撮影中は、画面を消すわけにはいかないので、いったん画面表示が消えた状態になると、何度も画面を指でつついて表示状態を維持するためだ(iPhoneのように画面が消えるまでの時間を設定する機能はない)。

 また、充電し忘れて出かけたこともあった。前日の午前10時に充電を止めてから24時間後のバッテリー残量は42%。夜までバッテリーが持つかちょっと心配しながらも、夕方までは十分に持った。そこで切れると嫌だからとモバイルバッテリーで充電をしてしまった。

 充電時は、バッテリー残量90%まではほぼ1分1%のペースで増えていく。だから、会議中に20〜30分ほど充電しておくだけでも、そこからさらに半日持つのだ。

「Apple Watch」の裏蓋側。赤外線LEDと可視光LEDを組み合わせた心拍センサー、フォトダイオードが埋め込まれている。サファイアレンズのついたセラミックカバーで保護されており、直接人体に触れることはない。Sportモデルでは複合材裏蓋とハードコーティングを施した光学ポリマーレンズが利用されているという
「Apple Watch」の裏蓋側に充電用コネクターをもっていくだけ。マグネットによりピッタリ接続される

 過充電を防ぐためか、充電開始から約2時間後95%に達してからは充電速度が極端に遅くなり、100%に達するまでには、さらに50分ほどかかるのだが、1日の睡眠がわずか3時間の人でも寝ている間に満充電ができるだろう。

 もちろん、バッテリーの減り方は、Apple Watchをどれくらい使い込むかによって大きく左右される。今はまだアプリが少なく、それほど使い込めていないためバッテリーの持ちも長いが、これからアプリがどんどん増えれば、もっと早くバッテリーが切れるんじゃないか? という心配はあるだろう。

 実際にTwitterのアプリを使い続けていると、3〜5分に1%くらいのペースでバッテリーが減った。

 しかし、バッテリーが1%減る前に、そもそもApple Watchを着けている左腕が悲鳴をあげた。片腕を上げっぱなしの姿勢というのは、実に疲れる。この2週間強で6〜7回はApple Watchの撮影日を設けたので、かなり慣れたとは思うが、それでも頻繁に1分程度上げたままにしておくと、腕がぷるぷると震え始める。

 パソコンは何時間も向き合って作業をする道具、スマートフォンは数分間向き合って操作をする道具である一方、Apple Watchはそれよりもはるかに短い数秒で終わる操作のためのデバイスだとアップルは考え、アプリ開発者にも、そのようなアプリの開発を促している。

 Siriで、「〜について教えて」と調べ物をすると、例えば相手がWikipediaに載っている人物やモノだとWikipediaの概略が表示されるが、それ以外の場合はiPhoneを使ってSafariで検索するように勧められる。

Siriで、「〜について教えて」と調べ物をすると、例えば相手がWikipediaに載っている人物やモノだとWikipediaの概略が表示される一方、それ以外の場合は、iPhoneを使ってSafariで検索するように勧められる

 顔写真を見せて「ああ、この人か」で済むやり取りはApple Watchでいいが、たくさんの検索候補を精査して、出てきた情報を細かく読み解こうとするなら、「それは大変だからiPhoneでやってくれ」というのがアップルの製品切り分けポイントなのだ。

 もちろん、それにも関わらず、Apple Watch用に機能てんこ盛りのアプリを出す開発者がなかには出てくるだろう。そして、そんなアプリが出てくると、どんなに腕が疲れてもがんばって使い続けてしまうユーザーも出るかもしれない。そうした人の中からは、「Apple Watchを使って肩こりがひどくなった」と言い出すような人も表れる可能性もある。しかし、それはそもそもApple Watchの設計思想にはない使い方なのだ。

“最大18時間”にも、アップルならではのこだわり

 アップルは、バッテリー駆動時間を最大18時間とうたっている。これは、24時間以上動作したという筆者の実測値よりもはるかに短いが、どういうことか? この18時間というのは、時刻チェックを90回、通知を90回、アプリケーションの使用を45分間、Apple WatchからBluetooth経由で音楽を再生しながらワークアウトを30分間行った結果ということだ。

 筆者は、通知については1時間に3〜4通になるように絞り込んでいたためアップルによるテストの約半数にあたり、音楽を聞きながらのワークアウトも行なっていなかったことが大きな違いを生んでいたようだ(また、使っていたアプリの違いもあるのかもしれない)。

 アップルが行なった、時計を見るだけのテストでは最大48時間、省電力モード(時計表示しかできないので、あまり実用にはならない)では最大72時間もバッテリーが持つようだ。

アップルのサイトには、何を行なうと、バッテリーが何時間持つのか、触れられている。時計を見るだけのテストでは最大48時間、省電力モードでは最大72時間も持つ

 さて、Apple Watchをオーダーした人、まだの人のどちらであれ、あのiPhone上の「Apple Watch」アプリで「ペアリングを開始」ボタンをタップすると、何が起きるか気になっている人は多いだろう。ネタバレをしても構わないなら、次のページで紹介しよう。

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