独シーメンスは3月24日、電気飛行機用に出力重量比が一般の5倍となる軽量・高出力モーターを開発したと発表した。
新たに開発されたモーターは、重量50kgで出力260 kW。一般の産業用モーターは1kW/kg、EV用のもので2kW/kgなのに対し、5kW/kgという高い出力重量比を持つ。
回転数2500prmで連続運転が可能で、回転の加減速なし(ギアを必要としない)でプロペラを駆動できるようになっており、バッテリーや太陽電池の電力で飛ぶ電気飛行用に適した作りになっている。
ソーラーパネルからの電力だけで世界一周を目指している有人飛行機「ソーラーインパルス」や、何ヶ月も飛行し続けて観測・無線中継を行う無人機など、太陽光・充電器の進歩もあって電気で飛ぶ飛行機の可能性が見えてきた。
また、アメリカ航空宇宙局(NASA)ではLEAPTech(The Leading Edge Asynchronous Propeller Technology)という電気飛行機向けの技術開発を行っていることを発表した。これは主翼前端に多数並べたモーターとプロペラを使い、それぞれ独自に出力を制御して翼の上を流れる気流を最適化するもののようだ。
これほどの多発機はレシプロ機やジェットエンジン機ではエンジンサイズなどの関係から効率が悪くなってしまうが、電気飛行機はモーターを使うメリットを活かし、まったく新しい形状の航空機になるかもしれない。