ファンレス筐体で驚くほど静か
製品名の「Stream」からも推測できるように、「HP Stream 14」はクラウドサービスと連携することを想定して開発され、ストレージは必要最低限の容量しか搭載していない。とはいえ、普段使いには十分な性能を確保している。
搭載するA4 Micro-6400T APUはクアッドコアプロセッサーで、日本HPによればCeleron N2830(2.16GHz、2コア/2スレッド)の2倍以上高速とのこと。そこでWindows 8.1のシステム評価ツール「WinSAT.exe」を試したところ、次のような結果になった。
WinSAT.exe/Windows エクスペリエンスインデックスの結果 | ||
---|---|---|
Stream 14 | 参考:(EliteBook Folio 1040 G1) | |
プロセッサー | 4.3 | 6.7 |
メモリー | 5.5 | 5.5 |
グラフィックス | 4.3 | 5.2 |
ゲーム用グラフィックス | 4.3 | 6.5 |
プライマリディスク | 6.65 | 7.9 |
上記の表で参考として掲出したEliteBook Folio 1040 G1は、以前『米軍基準の信頼性! デザインも上質な14型ノート「HP EliteBook Folio 1040 G1」』として評価したUltrabookだ。Core i5-4200U(1.60GHz)、4GBメモリーとM.2の128GB SSDを搭載し、価格は10万円以上する。こうしたUltrabookと比べればStream 14は数値的に見劣りするが、メールやブラウザなどの日常的に使うアプリでパワー不足を感じるシーンは少ない。10万円台と3万円台の価格差を考えれば、Stream 14の方がお得とも言えるだろう。
ストレージにはeMMC接続のフラッシュメモリーを採用する。eMMCはSSDより小型で低消費電力という特徴を持つ。「CrystalDiskMark」でベンチマークを試したところ図の通りになった。
前述のEliteBook Folio 1040 G1はシーケンシャルリードが493.3MB/s、同ライトが313.8MB/sであり、Stream 14は太刀打ちできない。しかし、当然ながらHDDよりは高速であり、普段使いには十分すぎるスピードだ。
ストレージ容量は32GBと少ないが、これは本機が「クラウドストレージを活用する」というコンセプトのため。本機を購入すると、クラウドストレージ「OneDrive(100GB)」を2年間無料で使用できる。本体のストレージはアプリなどのインストールに使い、写真や動画、文書などはクラウドストレージに保存するという使い方が適しているだろう。
なお、AMD A4 Micro-6400TやeMMCといった省電力なパーツを積極的に使用したことで、本機はきわめて発熱の少ないマシンに仕上がっている。そのため、本機はファンを搭載していない。駆動中に耳を近づけても音がまったく聞こえてこないのは結構感動する。特に、図書館などの静かな環境で使用する際はありがたい性能だ。
内蔵バッテリーは、公称値を超える8時間稼働
薄型軽量な「HP Stream 14」は、積極的に外に持ち出して使いたくなる。そこで気になるのがバッテリー駆動時間だ。本機はバッテリーの取り外しができないため、駆動時間の長さが出先での使い勝手に大きく影響する。
カタログスペックを見ると、本機のバッテリー駆動時間は最大約6時間30分となっている。そこで、バッテリーベンチマークソフト「BBench」を使って実際にどのくらい持つのかを計測してみた。なお、BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」を設定し、満充電状態から電源が落ちるまでの時間を計っている。
その結果、電源プランで「省電力」を選び、画面の明るさを最小にした場合、公称値を大きく超える8時間1分の駆動が可能だった。これならACアダプターを持ち歩かなくてもバッテリー残量を気にすることなく使えそうだ。
「BBench」の結果 | |
---|---|
カタログ値 | 省電力プラン |
約6.5時間 | 8時間1分 |
(次ページ、「クラウドを積極活用する人向けの高コスパノート」に続く)