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山谷剛史の「アジアIT小話」 第55回

中国の“ニセiMac”を買ってみた! 細かいところが残念!!

2013年09月05日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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ニセiMac本体と箱

ニセiMac本体と箱

 前回の「中国で“ニセiMac”が秘密裏(!?)に大量生産されている」では、Appleのブランド力が強い中国でさまざまなニセiMacが出ていることを紹介した。今回はその中のひとつをレビューしていく。

 ニセiMacをリアルショップで見ることはほとんどないので、中国最大のオンラインショッピングサイト「淘宝網(TAOBAO)」で購入した。値段はCeleron&4GBメモリー搭載のモデルで2380元(約3万8000円)だった。

箱は簡素、マニュアルも付属しないニセiMac

アップルらしさのかけらもない外箱

アップルらしさのかけらもない外箱

 届いた箱にはメーカー名の記載はなく、「電脳一体機」の文字とiMacっぽいイラストだけ。いかにもiMacのパッケージのオマージュはしていない。

 もっとも前回の記事でも紹介したが、中には箱まで真似たものがあるので、すべてのiMacのニセモノがこのようなパッケージではないと補足しておく。

付属のキーボードとマウス

 箱の中にはニセiMac本体と、やはり本物に似せたBluetoothのキーボードとマウスが入っていた。ニセiMacとキーボードとマウスのほかは、電源ケーブルが1本しかなく、説明書すらついていない。

 淘宝網の買い物においては、専用ソフトを利用したネットショップ店員との値引き交渉やアフターサポートが当たり前の商習慣となっていて、つまり「不明点はチャットで店員に相談」が暗黙の了解だ。説明書がないあたり中国でニセiMacを買う人はやはり上級者が多いようだ。

側面の厚さは23mmだった

 本体は2009年以降のiMacを似せたモノと思われる。本体の表面と裏面にAppleロゴがあるが、触ってみれば凹凸がひどく、はがそうと思えば簡単にはがせそうな感じがする。いざというとき別のロゴに換えるためだろうか。

 本体を分解するのにドライバーは使わない。本体とディスプレーは強力な磁石でくっついているので、それ以上に強力な磁石でディスプレーを引きはがす必要がある。

背面コネクターの種類と表示が違う!

 フォルムばかりか組み立て方法まで似せた本機だが、一方見た目でもっとも異なるのは背面のコネクター類だ。

背面。本家iMacならコネクター類が見えるのだが……

背面。本家iMacならコネクター類が見えるのだが……

 電源ボタンこそ背面左側にあるが、インターフェース類は本家iMacが背面から並行にコネクター類が向いているのに対し、ニセiMacは背面に2つのUSBコネクターが背を向けて配置されている以外は、マイクやイヤフォン、VGA、HDMI。電源、LANといった各コネクターがほとんどが底に向いている。

 そのためセッティングするには、あらかじめディスプレー面を床や机の上に置いた上でケーブル類を接続しなくてはならない。さすが山寨機こと中国産ノンブランドと言おうか、USB端子のところに「MIC」や「HDMI」と書いてあるかと思えば、VGA端子やHDMI端子のところに「USB」と書いてある。

下向きのコネクター類。しかも、コネクターの種類と記載がことごとく異なる

 おそらく同じニセiMacのケースに、さまざまなマザーボードを入れるためこのような適当な表示になるのだろう。まったくもって初心者に優しくないニセiMacである。

 側面を見ると本家のような光学ドライブのスロットがあるが反応がない。ただの溝のようだ。

側面にはドライブスロット……っぽい溝がある

側面にはドライブスロット……っぽい溝を完備!

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