思ったほどローパスフィルターのあり/なしで違いがない
結論としては、ローパスフィルターはないほうが解像感は高い。高いのだが、少し拍子抜けしたとも思えた。ローパスフィルターがないことによる効果はあるが、確実にないほうがいいと言い切れる結果でもない。
いくつか比較すると条件次第ではあまり効果の差がない場合もあるし、すべてのシーンで有効というわけではない。
また今回は、あえて偽色やモアレが出るような写真を撮ろうとしてみたのだが、盛大に偽色とモアレが出る写真は撮れなかった。
これは掲載用のサンプルとしては残念なのだが、結果としてはかなり良好だろう。かといって、ローパスフィルターレスで偽色とモアレの心配がまったくないわけではなく、出る可能性もあるので安心することはできない。
しかしながら、従来ローパスフィルターがないと偽色やモアレが出てしまうので、解像感を犠牲にしてもローパスフィルターが必要だったはずが、ローパスフィルターがなくても偽色とモアレの心配が少なくなったのは確かだ。
裏側では偽色とモアレをなくすためにかなり高度に画像処理を行なっていると思われ、今後のすべてのデジカメがローパスフィルターレスになるとは限らない。しかし、ハイエンド志向のデジカメではローパスフィルターレスが主流になる日が来るかもしれないと思える結果になった。
ひとつ言えるのは、少しでも解像感がほしいならローパスフィルターレスを選ぶ価値はあるが、常に偽色とモアレの心配もあるので、すべての撮影をローパスフィルターレスでまかなうのは勇気が必要だろう。