このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第181回

東京の遺跡巡りで出会った猫たち

2010年12月24日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
ニャアと鳴く“古墳猫”。都心ぽくない、土がむき出しになった無造作な空間は、猫にはうれしいに違いない(2010年3月 パナソニック LUMIX DMC-GH1)

ニャアと鳴く“古墳猫”。都心ぽくない、土がむき出しになった無造作な空間は、猫にはうれしいに違いない(2010年3月 パナソニック LUMIX DMC-GH1)

 ちょっと宣伝で恐縮なのだが、実は先日(2010年12月18日)、「 古地図とめぐる東京歴史探訪」(ソフトバンク新書)を出版させていただいた。春に出した「東京古道散歩」(中経の文庫)に続く東京歴史散歩本第2弾。よろしくお願いします。

 この本は、もともと都内を自転車で走り回っては、趣味であれこれ調べてたのが編集者の目に止まったのが発端だが、本にするとなるといい加減なことは書けないので、取り上げるべき場所を一からちゃんと巡り、写真を撮ったり調べ直したりしていたのだ。

 そうして古い土地を散策しているとありがたい副産物が付いてくる。猫である。

 ちょくちょく猫を見かけるのだ。猫を見つけたらもう我慢は不可能。本来の目的はどっかいっちゃって、猫撮影モードである。

 そんな写真を集めてみた。

たまたまそこにいた人が猫の腰を掻いてくれたので、便乗して真横から撮ってみた。猫の真剣な表情が妙におかしい。ここを弱点とする猫は多いのだ(2009年9月 ニコン D90)

たまたまそこにいた人が猫の腰を掻いてくれたので、便乗して真横から撮ってみた。猫の真剣な表情が妙におかしい。ここを弱点とする猫は多いのだ(2009年9月 ニコン D90)

 まずは北区の飛鳥山公園。江戸時代から桜の名所として有名だけど、古代の遺跡も眠る古い土地。広くて古い公園へ行くと、そこに住み着いてる猫がふらりと顔を出すことがある。この人間馴れした猫は、腰をぼりぼり掻かれて身動きがとれないのだった。

池之端で猫。近づいても動じない……ようだが、実は猫の手前に閉じられた門があり、安全であることを知っているからこその落ち着きである(2009年9月 ニコン D90)

池之端で猫。近づいても動じない……ようだが、実は猫の手前に閉じられた門があり、安全であることを知っているからこその落ち着きである(2009年9月 ニコン D90)

 飛鳥山から自転車で湯島へ。湯島も古い土地で、平安時代の文献にその名が登場する。夕方、湯島近くの池之端で猫が集まってくるシーンに遭遇。晩ご飯の時間だったのだろう。

 ぐっとしゃがんで縦位置で。夕方ならではの青っぽさを残してみた。

猛暑の昼間の1枚。すぐ近くでうろうろする姿を広角で(2010年8月 リコー CX4)

猛暑の昼間の1枚。すぐ近くでうろうろする姿を広角で(2010年8月 リコー CX4)

 2010年夏、弥生二丁目遺跡(弥生式土器が発見されたと思われる場所で、東大工学部の構内にある)を訪れたのち、不忍池方面に下った住宅街で人なつこい猫に遭遇。

 猫をよく見かける場所ではあるが、なにしろ猛暑の真っ昼間。どの猫も日陰でぐったりしている……と思いきや、この1匹だけはふらふらと熱いアスファルトの上を歩いてたのである。しゃがんだらすすっと寄ってきてくれた。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン