デザインよし、書き味よし
ドック・キュイールでは、まずその見た目に心を引かれた。柔らかいゴートレザーで万年筆本体を巻き上げて、25個の真鍮製のピンで縫合したスタイルは超個性的で、万年筆ファンでなくても強く興味を抱いてしまうだろう。
プロダクトデザインは、世界の著名なホテルなどを手掛けたことで知られる「アヌシュカ・ヘンペル」だ。オマスのスタンダードとは一線を画するデザインだが、筆者は彼女のポジティブな仕事を評価したい。
キャップ部分は、万年筆の後ろに付けられないようになっている。万年筆で文字を書く際、「キャップは必ず本体のうしろに付けられないとダメ」という考えだったら、その時点でドック・キュイールは失格だろう。
ただ、キャップは机の上に置いておいてもいい主義なら、絶妙なホールド感や筆記バランスの恩恵に預かれる。ドック・キュイールは、ほぼ本体の重さだけを利用してペン先を滑らせるだけで、柔らかくて伸び伸びした文字が書ける。筆記感覚は人それぞれの好みがあるが、筆者はこの書き心地に魅了されてしまった。
ちなみに筆者は、それほど文字が細かいわけでもなく、長文の原稿を書く必要もないので、ペン先はMサイズ(中字)を選択した。本体には、使い捨てのハーフサイズ・カートリッジとボトルインク用のコンバーターの両方が付属している。筆者はコンバーターを利用して、パイロットから発売された「Tsuyu-kusa【露草】」という薄いブルーの万年筆用水性インクを充填して使っている。
普段、ペンを持ち歩くためのケースもいろいろ試して見たが、黒のドック・キュイールには、ボッテガベネタのやはり超柔らかい革ケースが最適だった。
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今回の衝動買い
アイテム:ルイヴィトン ドック・キュイール(ノワール・銀キャップ)
標準価格:11万5500円(オンラインショップにて購入)
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
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