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T教授の「戦略的衝動買い」 第124回

ペリカン「M205 DUO イエローデモンストレーター」は買いだ!

2010年11月10日 20時00分更新

文● T教授

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ペリカンのスケルトンは、意外なほどウッドやクラシックデザインの周囲と相性が良い

 日本で「ラインマーカー」というと、書類の重要箇所などに線を引く蛍光ペンなどの筆記具を指すのが一般的だ。しかし他国では、短距離走のトラックラインを引いたり、走り幅跳びの踏切線を引いたりする道具の呼び名として用いられている。海外の文具屋さんに入って、日本でいうところのラインマーカーを買うときには、「ハイライター」と呼ぶのが正解だ。

 月に1度、癖になっている都内の文具屋さん巡りをしていた時、東京駅近くにある万年筆を置いている老舗店で、万年筆と蛍光インクボトルとの限定パッケージ商品を発売しているのを見つけてしまった。

ペリカン「M205 DUO イエローデモンストレーター(ハイライターインク付き)」

 現代では、購入した商品が後々不要になった場合に(多少損をしても)処分する方法が比較的簡単で、しかも充実している。むしろ買い損じしないように、「これは!」と思った商品を速攻で衝動買いをするほうが一番後悔がない、というのが筆者の買い物哲学だ。

 うっかり無駄なモノを買ってしまって後悔するよりも、「買わなかったせいで、いつまでも気になってしまう」という方が問題は深いのだ。

 そんな勢いで、いつものように衝動買いした。ターゲットは、ペリカンの「M205 DUO イエローデモンストレーター(ハイライターインク付き)」(以下、M205 DUO)という長ったらしい名前の付けられた商品だ。

両開きの専用パッケージを開くと黄色が眩しい

「M205 DUO イエローデモンストレーター(ハイライターインク付き)」と専用蛍光イエローインクが、キットの主役と準主役だ

 特に文具マニアでもない普通の人にもわかりやすい解説を加えるなら、一番太いペン先(マニアは”ニブ”というらしい)を備えたペリカン製万年筆と、黄色い蛍光インクボトルをセットで販売して、なんと万年筆をラインマーカー代わりに使ってみようという野心的な製品なのだ。

ボトルのキャップをネジって外すと、プレデターの血の色のような蛍光イエローが強烈に目に飛び込んでくる

 文房具市場では、万年筆やボールペン、そしてシャープペンシルでも、最安値では100円近辺から軽く10万円を超える高級モノまで幅広く存在する。しかし、なぜかラインマーカーだけは全文具メーカーとも一律に100円近辺で価格を揃えており、1万円を超えた”目立ち商品”はなぜか存在しない。

 M205 DUOはそれに対する答えのひとつかもしれない。M205 DUOの本体は、付属のハイライターインクの黄色に合わせた黄色く透けたプラスティックを採用しており、文具通の間では、インクやピストン構造が透けて見えるペリカン万年筆のことを「ペリスケ」と呼ぶらしい。

 筆者は、青く透けたペリカン万年筆にブルーのインクを入れて愛用しているが、蛍光イエローのハイライターインクを入れた黄色のペリスケのシュールな視覚的インパクトは、また格別だ。

気泡ひとつが残って、タンクの中に蛍光インクが吸い込まれていく


「戦略的衝動買い」とは?

 そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。

 それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである(連載目次はこちら)。

(次ページへ続く)

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