Steppingごとに改良が進んだ初期のOpteron
長い前置きが終わったところで、以下にOpteronシリーズのロードマップをご紹介しよう。
まず2003年に投入されたのが「SledgeHammer」コアである。これは当時、SOIプロセスの熟成に恐ろしく手こずった関係で、当初の動作周波数は1.4GHz~1.8GHzと低く、そのわりにTDPは84.7Wと大きかった。この最初に投入されたものは、デスクトップ向けのAthlon 64では投入を見送った「Stepping B3」というもので、多少なりとも改善されるのは、その後に投入された「Stepping C0/CG」である。もっとも、130nm SOIプロセスのままでは抜本的な改善が難しく、最終的には90nm SOIプロセスに移行することで、やっと競争力を発揮した。
その90nm SOI世代では、デスクトップ向けには同コアの「Stepping D」が投入されたが、Opteronはこれをスキップ、より熟成の進んだ「Stepping E」(E4/E6)コアを投入する。90nm SOI世代のOptronに付けられた「Athens」「Troy」「Venus」というコード名は、それぞれ8プロセッサー/2プロセッサー/1プロセッサー(以下8P/2P/1P)向けごとのコード名だが、実体は同じコアである。
これをデュアルコア化した「Egypt」「Italy」「Denmark」(同様に8P/2P/1P別のコード名)は、動作周波数を最大2.8GHzまで引き上げ、大きな性能改善に成功する。Stepping Dを飛ばした関係で、製品投入までだいぶ時間が空いてしまったように見える。しかしサーバー向けCPUの場合、CPUメーカーのみならずOEMベンダー側での検証時間が必要だ。デスクトップ向けCPUほどほいほい新CPUを投入してもOEMベンダーが嫌がるし、エンドユーザーも導入計画を立てにくくなるわけで、この程度の時間間隔が空くほうが望ましいのだろう。
ちなみに、Athens世代の途中から、パッケージに「Socket 939」が混じっているが、これは1Pサーバー向けの製品である。1PサーバーであればHyperTransportリンクはCPUとチップセットを結ぶ1本だけでいいので、デスクトップ向けのAthlon 64と同じパッケージ構成で問題ない。むしろさまざまなチップセットを選べる分、無理にSocket 940だけで提供するよりも好ましいと判断されたようだ。
さて2006年8月には、「Santa Rosa」「Santa Ana」がリリースされる。こちらはEgyptなどと同じ90nm SOIプロセスながら、DDR2メモリーをサポートし、パッケージも1207ピンの「Socket F」に変わったものだ。ステッピングも「Stepping F」(F2/F3)となり、動作周波数は最大3.2GHzまで向上した。
コード名は、8P/2P向けがSanta Rosa、1P向けがSanta Anaになっており、1PのSanta Anaでは、デスクトップのAthlon 64/64 X2と共通の「Socket AM2」が利用されているが、これは前世代でのSocket 939対応と同じ理屈である。ちなみにSocket F導入のタイミングで、シングルコアCPUは完全にOpteronのラインナップから消え、最低でもデュアルコア以上となった。
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