新定額は旧プランよりもパケット単価が4倍に!
では、新ウィルコム定額プランは、ウィルコム定額プラン(旧プラン)に比べて本当にお得なのだろうか? すでに書いたように音声通話の条件は同じだ。そこで、パケット通信料金を比べてみた。
表 新ウィルコム定額プランと旧プランのパケット料金 | |||
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料金プラン | 新プラン | 旧プラン+データ定額 | 旧プランのみ |
最低料金 | 0円 | 1050円 | 0円 |
パケット単価 | 0.084円 | 0.0105円 | 0.021円 |
上限金額 | 2800円 | 3800円(端末)/6300円(PC) | 従量制・パケット安心サービス適用で2万1000円 |
パッと見た感じでは、新ウィルコム定額プランのほうが安く見える。月々0円から使え、2800円で使い放題になるからだ。ただし問題が1つだけある。それはパケット単価だ。
新ウィルコム定額プランのパケット単価は0.084円。ウィルコム定額プラン(旧プラン)は0.021円だったから、何とパケット単価が4倍にもなっているのだ。さらにウィルコム定額プラン(旧プラン)のオプション・データ定額と比較すると、8倍のパケット単価になっている。
これは、パケットをあまり使わないユーザーにとっては値上げになる可能性がある。それを検証したのが、下のパケット利用量を元にしたグラフだ。新定額、旧定額、旧定額+オプションの3つを比較している。
ご覧になってわかる通り、3つの中で「新ウィルコム定額プラン」が安くなるのは、約27万パケット(26万6666パケット=約32.55MB)以上の場合に限られる。それ以下では、「旧プラン+オプションなし」や「旧プラン+データ定額」のほうが安くなっている。
パケットをあまり使わない人(グラフの5万パケット以下)にとっては、オプションなしの「ウィルコム定額プラン」(旧プラン)が最も安い。ある程度のパケットを使う人(5万パケットから26万6666パケット)は、「ウィルコム定額プラン(旧プラン)+データ定額」が安くなっている。「新ウィルコム定額プラン」は、パケット単価を従来の4倍にしたことが大きく響いており、ライトユーザーにはあまり向いていない。
従来の「ウィルコム定額プラン」(旧プラン)は、主に音声端末ユーザーが加入しており、ウェブ閲覧は端末がメインという人が多かっただろう。実は一部の層にとって、新ウィルコム定額プランのパケット料金は得ではないのである。
「新ウィルコム定額プラン」は、1ヵ月ごとにパケット利用量が大きく変わる人に向いている。まったく使わないときはパケット料金が0円で済むし、逆にパソコン接続などで大量に使うときでも上限2800円になるからだ。「使いすぎた場合でも上限2800円で済む」という安心感を買うと考えればいい。
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