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データ通信料金戦国時代 第1回

新ウィルコム定額プラン、選んでいいか?

2009年02月13日 10時00分更新

文● 三上洋

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新定額は旧プランよりもパケット単価が4倍に!


 では、新ウィルコム定額プランは、ウィルコム定額プラン(旧プラン)に比べて本当にお得なのだろうか? すでに書いたように音声通話の条件は同じだ。そこで、パケット通信料金を比べてみた。

表 新ウィルコム定額プランと旧プランのパケット料金
料金プラン 新プラン 旧プラン+データ定額 旧プランのみ
最低料金 0円 1050円 0円
パケット単価 0.084円 0.0105円 0.021円
上限金額 2800円 3800円(端末)/6300円(PC) 従量制・パケット安心サービス適用で2万1000円

 パッと見た感じでは、新ウィルコム定額プランのほうが安く見える。月々0円から使え、2800円で使い放題になるからだ。ただし問題が1つだけある。それはパケット単価だ。

 新ウィルコム定額プランのパケット単価は0.084円。ウィルコム定額プラン(旧プラン)は0.021円だったから、何とパケット単価が4倍にもなっているのだ。さらにウィルコム定額プラン(旧プラン)のオプション・データ定額と比較すると、8倍のパケット単価になっている。

 これは、パケットをあまり使わないユーザーにとっては値上げになる可能性がある。それを検証したのが、下のパケット利用量を元にしたグラフだ。新定額、旧定額、旧定額+オプションの3つを比較している。

 ご覧になってわかる通り、3つの中で「新ウィルコム定額プラン」が安くなるのは、約27万パケット(26万6666パケット=約32.55MB)以上の場合に限られる。それ以下では、「旧プラン+オプションなし」や「旧プラン+データ定額」のほうが安くなっている。

 パケットをあまり使わない人(グラフの5万パケット以下)にとっては、オプションなしの「ウィルコム定額プラン」(旧プラン)が最も安い。ある程度のパケットを使う人(5万パケットから26万6666パケット)は、「ウィルコム定額プラン(旧プラン)+データ定額」が安くなっている。「新ウィルコム定額プラン」は、パケット単価を従来の4倍にしたことが大きく響いており、ライトユーザーにはあまり向いていない。

 従来の「ウィルコム定額プラン」(旧プラン)は、主に音声端末ユーザーが加入しており、ウェブ閲覧は端末がメインという人が多かっただろう。実は一部の層にとって、新ウィルコム定額プランのパケット料金は得ではないのである。

 「新ウィルコム定額プラン」は、1ヵ月ごとにパケット利用量が大きく変わる人に向いている。まったく使わないときはパケット料金が0円で済むし、逆にパソコン接続などで大量に使うときでも上限2800円になるからだ。「使いすぎた場合でも上限2800円で済む」という安心感を買うと考えればいい。

(次ページへ続く)

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