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iSummit2008

ニコニコも初音ミクも語られた!クリエイティブ・コモンズ

2008年08月01日 08時00分更新

文● 秋山文野

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 7月30日から8月1日まで、札幌市札幌コンベンションセンターでCreative Commons(クリエイティブ・コモンズ)の国際会議「iSummit2008」が開催されている。今年で4回目の開催となる。

札幌コンベンションセンター

会場となった札幌コンベンションセンター。例年、学術的、専門的なセッションが多かったというiSummitだが、今年は札幌市の後押しもあり、札幌市民なら気軽に参加できる。CCの活動普及が拡大しそうだ

 クリエイティブ・コモンズは、米スタンフォード大学の憲法学者、ローレンス・レッシグ教授が提唱、2001年に活動がスタートした団体だ。もともと書籍を出版する活動に一定の制限を設け、海賊版出版を抑制するための手段としてスタートした著作権(コピーライト)だが、米国はいまや「All rights reserved」の権利を行使する側の力が非常に強くなっている。逆に、著作権の権利行使に反対し、コンテンツは産み出されてすぐパブリックドメインに入れられるべき! との「No rights reserved」という極論もあって、両者の対立はすさまじい。

レッシグ教授

CC提唱者レッシグ教授。フリーカルチャーを促進し、権利戦争状態を脱して、正気を取り戻そうと訴えた。カリスマ、レッシグ教授はセッションの合間も、レセプションの最中も人垣が絶えない

 こんな状態はまさに戦争で、正気じゃないというレッシグ教授は、もっと穏やかで、コンテンツ共有を目指す立場をクリエーターが宣言できればいいのに、と「Some rights reserved」という考え方を打ち出した。具体的には、デジタルコンテンツに6タイプのラベル「CCライセンス」をつけ、コピーはかまわないが営利目的への利用はだめ、とか、内容を改変して配ってもよい、といった「どういった利用なら許可できるか」を明確にするというものだ。

 現在、CCライセンスは世界47カ国で利用されている。ただ、米国の著作権法に照らしてライセンス条文が作成されているため、各国の法律に合わせて翻訳する作業が必要だ。こうした、国ごとのCCに対する取り組みや、CCを使って何ができるか、教育やビジネスにどう応用するかといったことを話し合うのがiSummitというわけだ。

次ページ「ニコニ・コモンズや初音ミクも話題に」に続く

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