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発売まであと2週間!

マイクロソフト、Xbox 360「ロストオデッセイ」完成発表会&クラシックコンサートを開催

2007年11月20日 12時47分更新

文● 編集部 飯塚岳史

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 (株)マイクロソフトは19日、12月6日発売予定のXbox 360向けRPG「ロストオデッセイ」の完成を記念した発表会と、日本フィルハーモニー交響楽団によるクラシックコンサートを開催した。

オルト

「ロストオデッセイ」 (C) 2007 MISTWALKER, INC./I.T. PLANNING, INC. All Rights Reserved. (C) & (P) 2007 Microsoft Corporation. All Rights Reserved.

 ロストオデッセイは、(株)スクウェア・エニックスの人気RPGシリーズ「ファイナル・ファンタジー」の生みの親である坂口博信氏が手がけるロールプレイングゲームで、Xbox 360での坂口氏作のゲームは「ブルードラゴン」に続く2作目となる。

 発表会は第1部を完成披露発表会、第2部を「ORCHESTRAL PIECES From LOST ODYSSEY & BLUE DRAGON」として行なわれた。第1部では、坂口氏のほか、ブルードラゴンに続いて音楽を担当した植松伸夫氏、ゲーム中の挿入話として主人公“カイム”の過去を描いた作家の重松 清氏らが登場した。

制作時期は3年半! 「ようやくできあがった作品」


坂口氏

坂口博信氏

 坂口氏はロストオデッセイについて、「3年半かけてようやくできあがった作品。途中、制作チームが崩壊しかけたり、本当にヤバイ時期があったが(キャラクターデザインをてがけた)井上さんの絵と重松さんの話に救われた。チームのみんなに支えてもらってできた」と思い返すように語った。

 始まりの挨拶のあと、坂口氏によるプレイデモンストレーションが披露された。「前回(関連記事)、戦いで負けてネット上でだいぶ叩かれたんで(笑)、ちょっと強い魔法をセットしてもらっています」と語った坂口氏だったが、戦術もうまくいったようで、バトルに無事に勝利した。

プレイ中

プレイ中は首をかしげる仕草も見られた坂口氏だったが、見事に勝利した

 その後、植松氏と重松氏を含めたトークセッションが行なわれ、植松氏は「3年半前にこのゲームの話が来て、やっとできたのかという感じ」、重松氏は「僕の原稿も含めて、本当にこれは終わるんだろうかと思っていた」と語った。

植松氏

ファンファーレなどのジングルなどもすべて担当した植松伸夫氏

重松氏

サブテキスト「千年の夢」を書いた直木賞作家の重松 清氏

 ゲームに付随する形のサブテキストを書くということで重松氏は、「自分の書くような小説とイメージが全く違うので不安になった。ただ、普段は小説をひとりで書いているので、みんなで一緒にひとつの世界を作るというのは、プレッシャーもあったが新鮮で楽しかった」と述べた。

 ゲームクリエイターの坂口氏と、作家の重松氏は、お互いに畏敬の念を抱いていたという。ゲーム内テキストという異色のオファーに重松氏は「『人間を書きたい』ということと、『今までのゲームとは違うものを作りたい』という2つが殺し文句になった」と語った。

本

明日発売の「永遠(とわ)を旅する者」を手にする坂口氏。なお、会場ロビーでは明日に先駆けて販売されていた


主人公・カイムの声を演じるのはトヨエツ!


豊川氏

カイムを演じた豊川悦司氏

豊原氏

ヤンセンを演じた豊原功補氏。髪型もヤンセンに合わせた感じになっている

上原さん

サラを演じた上原多香子さん

 続いて、スペシャルゲストとして俳優の豊川悦司氏、俳優の豊原功補氏、女優の上原多香子さんが登場! 豊川氏は主人公・カイムの声を、豊原氏は主人公とともに旅をする仲間・ヤンセンの声を、上原さんはカイムの妻であったが今は心を閉ざし、自分もなくしてしまった女性・サラの声をそれぞれ務めていることをこの日初めて発表された。

 豊川さんはカイムを演じるにあたり、「ロストオデッセイは、そのまま映画にしたくなるような深さを持つ作品であり、自分が芝居をしているつもりでやらせていただきました」と語った。また、自分がカイムのように死ねない体になったら、という質問に対しては「僕はきっちりと人間らしく死んで行きたい。死ねないと人間として生まれた意味がないような気がする」と述べた。

 陽気なキャラクターであるヤンセンを演じた豊原氏は、「ヤンセンというのは人間くさくて、動き回るキャラクターなので自由にやらせてもらいました。でも、本当によくしゃべるんで、ヤンセンが2~3行話したら、次にカイムが『……』、また4行くらい話してカイムが『ああ』と、かなり不公平なんですが、ギャラはどうなってるんだろうと思いました(笑)」と、カイムとの対比を面白く語った。また、アドリブを混ぜていったのも、英語でのアフレコを聞いて、向こうの声優さんが色々と喋っているのを聞いたからだという。

 サラを演じた上原さんは「最初は老婆で登場して、あとに本当の姿に戻ったりと移り変わりがあるんですが、それの演じ分けが難しかった」と語った。豊川さんと同じく千年を生きる体になったら、という質問に対しては「ゲーム中のサラのように、運命の移り変わりを見ていけるから、それを書き写して、あとの世代へと残したい」と述べた。

フォトセッション

出演者3人によるフォトセッション

フォトセッション2

その隣で「いっぱい入ってるなぁー」と思われる表情を作る制作者3人たち

 最後に坂口氏より、「もう生まれた我が子といった感じなんですが、先日完成したディスクがやってきて、またプレイしてみました。やる価値はあるんじゃないかな、というのが素のユーザーとしての感想です。ぜひ手に取ってみてください」とアピールをした。

客席で聞き惚れた植松氏らしさ満点のクラシックコンサート


オーケストラ

日本フィルハーモニー交響楽団による演奏が渋谷・Bunkamuraオーチャードホールに響き渡った

 第2部のクラシックコンサートでは、前半にブルードラゴンから7曲、後半にロストオデッセイから7曲と、アンコール1曲の全15曲が演奏された。演奏は、日本フィルハーモニー交響楽団、指揮は吉住典洋氏が行なった。

 曲目リストは以下の通り。

第1部 BLUE DRAGON
『水辺』
『嘆きの鐘~地鮫が来る!~危機のメドレー』
『大地を進め』
『洞窟』
『笑顔』
『剣聖師団』
『Blue Dragon Main Theme』

第2部 LOST ODYSSEY
『メインテーマ』
『戦場』
『暗闇の放浪者』
『大航海』
『強敵出現!』
『Eclipse of Time』
『What You Are』

アンコール
『水辺 ~ピアノとオーケストラのための~』

 ブルードラゴンの楽曲について植松氏は、「最近は他社のゲームなんだけどファイナルファンタジーとか、リアルなものばかりやってたから、ブルードラゴンではポップな曲調のものも入れたんです。今回はそんなブルードラゴンから、オーケストラに合いそうな曲を選びました」と述べた。

植松氏

ゆったりとした作務衣(さむえ)という植松スタイルで今回も登場した植松氏。坂口氏とは昼に会うことが少なく、もっぱら夜に会うという。そしてなぜか代官山で酔っ払ってる坂口氏に会うことが多いとか?(坂口氏はハワイ在住)

 また、坂口氏からの楽曲の依頼について、「ロックなものとか、エレキギターを入れたり、色々とやりたいんだけど、お金がかかっちゃうんだよね。でも、最近の坂口さんは自由度を与えてくれます。付き合いも20年くらいで長いからね」と語ると、その坂口氏は「どちらもとにかく植松メロディーが欲しかった。新しいゲームだからと変な事をせず、植松さんらしい曲を」と植松氏に返していた。

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