スケールアウトNAS、SSD、アーカイブなど
データストレージEXPO会場の個性派ストレージたち
2011年05月13日 08時00分更新
5月11日、リード エグジビジョン ジャパンは東京ビックサイトにて「Japan IT Week 2011 春」を開催している。ここでは「データストレージEXPO 2011」で見られた多種多様なストレージ製品を紹介する。
用途に応じた多種多様なストレージが集まる
第13回を数えるデータストレージEXPOは、膨大な情報の管理を行なうストレージソリューションが一堂に会する専門展となっている。出展企業は決して多くないが、顧客の用途に応じたさまざまなストレージ製品が見られた。
新モデルをいち早く披露したアイシロン・システムズ
販売代理店4社とともにブースを出したアイシロンシステムズは、発表したばかりのスケールアウトNAS「Isilon S200」を展示した。S200はクアッドコアCPUを2基を搭載した高速な製品で、高いスループットが売り。EMCロゴの入った新筐体を採用し、ビッグデータ向けの戦略製品であることをアピールした。
日本SGIはアーカイブ専用の「SGI COPAN 400」出品
日本SGIはデータの保存に特化したアーカイブ専用ストレージ「SGI COPAN 400シリーズ」を披露した。アーカイブストレージでは、一度書き込まれたらほとんど読み込まれることはないため、アプリケーションが必要とした以外はディスクグループを動かさないMAID(Massive Array of Idle Disks)という技術が投入されている。COPANのEnterprise MAIDでは、アプリケーションのアクセス時にすべてのドライブがオンになるのではなく、最大25/50%のドライブがオンになるよう設定できるという。電力コストを75%まで削減するという。
高密度実装も大きなテーマとなっており、3TBのHDDを用いることで48Uで2.6PBまで搭載できるという。COPANでは14台のHDDをキャニスターと呼ばれるエンクロージャに収容し、これを8つ束にして横に並べる。この列が全部で8段あるので、1ラックで112本のディスクを収容できるという。別途サーバーを用意することで、VTL(Virtual Tape Library)として動作させることも可能だ。
デルはコンペレントのストレージを初披露
近年ストレージに注力するデルも、iSCSIストレージ「EqualLogicシリーズ」を中心に、幅広い展示を行なった。今回の目玉は、昨年末に買収したコンペレントテクノロジーズの製品をベースにしたデータセンター向けストレージ「Dell Compellent Storage Center」である。
Dell Compellent Storage CenterはSAN接続の汎用ストレージで、ストレージの仮想化、シンプロビジョニング、スナップショットなど多彩な機能を持つ。SSD、HDDなどを混在して搭載し、非常に細かい粒度でダイナミックに階層化管理を行なうのが特徴だという。
世界最速を謳うDRAMとフラッシュのSSDストレージ
高いパフォーマンスと耐障害性を持つSSDのソリューションも数多く見られた。常連のシステムクリエイトが展示していたのが、30年の歴史を持つ米テキサスメモリシステムズの「RamSan SSD System」というエンタープライズ向けのSSDストレージだ。
同社がフラッシュベースのSSDストレージを展開したのはわりと最近で、それまではDRAMをベースにしたストレージがメインであったという。DRAMはHDDの約2000倍とも呼ばれる高速なアクセススピードを持つため、I/Oのボトルネック解消には最適だが、容量が小さいという弱点がある。そのため、最近はフラッシュベースのSSDも展開しており、ある程度容量が必要な場合はこちらを勧めるという。金融系や製造系などのデータベースで導入されることが多く、最近ではSIerのアクアシステムズと組んで、検証や導入を行なうSSD導入サービスも展開しているとのこと。
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