10月5日の記事で入荷を予告していた「RADEON 7500」ビデオチップを搭載したビデオカードがアキバで販売開始となった。ATI Technologies純正品のバルク版だ。
「RADEON 7500」。9月の発表会で展示されていたカードとほぼ同じボードレイアウトだ |
RADEON 7500は従来製品「RADEON 64MB DDR」の後継にあたるビデオカードで、RADEON 64MB DDRのクロックアップ版といえる製品だ。ビデオチップの製造プロセスを従来の0.18μmから0.15μmへとシュリンクすることでコアクロックを290MHzへ引き上げ、またVRAMも230MHz(DDR 460MHz)のDDR SDRAMへと換装。これはコア184MHz/メモリ200MHz(DDR 400MHz)の最新版RADEON 64MB DDRと比べ、コアクロックで約158%、メモリクロックで115%の高速化がなされている計算だ。ピクセルフィルレートは580Mピクセル/秒でテクセルフィルレートは1.74Gテクセル/秒。毎秒5000万トライアングルのポリゴン処理能力を持つ製品である。
高速電脳の協力で、EnTech Taiwan製のTweakユーティリティ「PowerStrip」にてコア/メモリ速度を計測した。写真がその結果。コア290MHz、メモリ230MHzで動作している。なお、システムは同製品を「RADEON 7500 DDR」として認識していた |
64MB搭載するメモリは最高250MHzまで対応するESMT製の「M13L64164A-4T」。カード上にはD-Sub15ピン端子のほか、DVI出力端子とSビデオ出力端子を装備する。Akiba2GO!が独自に入手した資料によると、DVI出力時には165MHz駆動のチップ内蔵TMDSトランスミッタにより、最高1600×1200ドットのDVI-I出力が可能なようだ。また、内蔵する2つのRAMDACはともに350MHzで動作し、デュアルディスプレイ出力をサポートする。
注意が必要なのは、DirectX8.1に完全対応する初のビデオチップ/カードとして注目を集める「RADEON 8500」とはアーキテクチャが異なること。ハードウェアT&Lエンジン「Charisma Engine」など、基本的な性能はRADEONファミリのものを継承しており、DirectX8シリーズの機能である「Vertex Shader」などには対応していない。
成田空港に到着したときから、入荷までをリアルタイムに告知するショップもあった |
ATIテクノロジーズジャパンの発表では、日本語リテール品の価格が2万円台前半になるとのことで、また一部ショップではリテール品の予価を1万円台後半としているところがあったが、初物ということもあり、今回の製品はリテール品の予価よりも高い。実際、仕入れ値もかなり高かったようで、一部には「価格の折り合いがつかない」という理由で入荷を取りやめたショップも確認できた。性能面ではライバルと目されるNvidia製「GeForce2 Ti」と互角以上の勝負をするものと期待できるだけに、流通量の増加による価格の下落に期待したいところである。
なお気になるリテール品だが、情報が錯綜しておりはっきりと「○日登場」とは断言できない。ただそれほど遠い将来ではないようで「早ければ今週中にも登場する可能性はある」(複数ショップ)とのこと。また、ASKセレクトなどサードパーティ製品も、近日中にいくつか入荷するもよう。一方、新型RADEONシリーズのフラグシップであるRADEON 8500についてはRockValleyが今週末入荷予定として予約を受け付けている一方で、入荷は早くても20日以降とするショップもあり、まだなんとも言えないというのが実情のようだ。
価格 | ショップ |
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\23,800 | 高速電脳 |
\24,380 | RockValley (表示価格から、サイコロ2つの出目合計×100円分値引き) |
\24,780 | コムサテライト3号店 |
\24,800 | クレバリー1号店 パソコンハウス東映 WonderCity USER'S SIDE本店 |